何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

夏の日差しがまぶしい青空に、白いスモークが5本の線を引いていく。航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が、大阪上空を飛んだのは7月12日・13日だった。大阪・関西万博の会場を中心に、各地でその姿を見ることができた。
「万博でブルーインパルスを見てきました」
うたしろ律走教室の近大生は、回答の冒頭にさっそく書き込んだ。「とてもかっこよくて思わずため息が出ました」。感動すると人は伝えずにいられない。
番選ボードレールという山を越えた55[守]。オール近大生のマグロワンダフル教室は、大躍進の7人エントリー。師範代・稲森久純が、一人一人に声を掛ける「ダイレクトメール作戦」が功を奏した。他の教室からも2人がエントリー。計9人。マグロも元気だが、近大生が生き生きしている。
近畿各地の夏祭りに出掛けているというヤキノリ微塵教室の近大生は「お祭り男」。祇園祭でゴミ拾いを手伝っていると、テントをものすごいスピードで畳む大人に遭遇し、思わず「格が違う」と感じたそうだ。街の達人はどこにでもいる。しかし達人の方でも、大学生の所作に舌を巻いているかもしれない。イシスの教室での年齢を超えた出会いのように。
6機のブルーインパルスが描く5本の線
このような声も増えてきた。
「テスト前ですが、体は動かすようにしています」
「テスト前で色々なものに追われていますが、夏休みのために頑張っています」
テスト前…そう、近大生にはもうひとつの大きな山があった。定期試験だ。7月28日~8月5日の日程で行われる。55[守]は用法4が始まったばかりだが、大事な試験には集中してほしい。しかし、ここまで積み上げてきた編集稽古。必ず帰ってきて卒門してほしい。そんな願いを込めて、かつて試験を乗り越え卒門した近大受講生の言葉を、過去記事からピックアップしてみた。まずは52[守]の3人に登場してもらおう。
カミ・カゲ・イノリ教室の水上さんはこう話していた。
回答をためこまないこと。分からないなりにも書けたところまでで出すのが大事。師範代はめちゃめちゃ優しくて、どんな回答にも絶対にきっちり向き合って指南してくれるから。
貯めずに出す。これが何より大事。全部できていなくても書けたところだけ出してもいい。試験期間の息抜きに、少し回答するだけでも構わない。
教室の効果について語ってくれたのは、千離万象教室の中村さんだ。
教室の仲間との交流も楽しんでほしい。おすすめの本を紹介してもらったり、大学生活だけでは出会えない人との関係づくりもできますよ。
試験のことを話題にすれば、師範代や仲間からのエールがきっと届くはずだ。
パズル蒸着教室の佐々木さんは、これからの時代は編集が大事だと力を込めた。
“編集”って、最初はすぐには役立たない知識だと思うかもしれないけど…、世の中のあらゆる事情がめまぐるしく変動する時代に、「地」の異なる他者の価値観を知る能力は、新しい知を生み出す力になると思います。これからますますイシス編集学校の重要性は高まっていくと思う。
知が問われる試験も、新しい知を生み出す編集もどちらも大切。特に編集は、これから社会に出ていく近大生にぜひ身に着けてほしい。
続いて47[守]どんでんコマンド教室で近大生初の師範代になった中村慧太さんの言葉に耳を澄まそう。
お題をこなすだけではなくて、「師範代を驚かせる」とか「1日3題」とか自分でゲームを作るように稽古すると楽しめました。
回答のルールは自分で作ることもできる。1日10分はお題を考える、1日1題は回答するとか。編集稽古をルル3条してみよう。
師範代は回答が送られてくると喜ぶから安心して送ってほしい。(回答が遅れて)謝りたい気持ちもわかるけれど、謝らなくて大丈夫。謝るなら「早く送っちゃってごめんなさい」と別パターンをぜひ!
遅れたからって必要以上に臆することはない。むしろ師範代は回答を喜んでくれる。師範代経験者が言うのだから間違いない。さらに中村さんは守を終えて、自分に起こった変化を感じたという。
周りからは「話し方が変わった」と言われましたね。雑談のオチを《BPT》で考えたり、就活の面談でも自分の強みと欲しい人材を《ベース》と《ターゲット》において対策をしたりしました。
日常に編集の型が入ってくる。思考の癖を知り、得意手を作ることができれば、セルフプロデュースだって可能だ。勉強や就活、バイトなど、あらゆる場面で役立てることができるようになるはずだ。
4人の先輩の言葉でエネルギーチャージを。そして青空に鮮やかな航跡を描くブルーインパルスのように、自由に、しなやかに、力強く軌跡を描いてほしい。試験、応援しています。
アイキャッチ/稲森久純(55[守]師範代)
文/景山和浩(55[守]師範)
週刊キンダイ 連載中!
週刊キンダイvol.001 ~あの大学がついに「編集工学科」設立?~
週刊キンダイvol.002 ~4日間のリアル~
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
花伝所の指導陣が教えてくれた。「自信をもって守へ送り出せる師範代です」と。鍛え抜かれた11名の花伝生と7名の再登板、合計18教室が誕生。自由編集状態へ焦がれる師範代たちと171名の学衆の想いが相互に混じり合い、お題・ […]
これまで松岡正剛校長から服装については何も言われたことがない、と少し照れた顔の着物姿の林頭は、イシス編集学校のために日も夜もついでラウンジを駆け回る3人を本棚劇場に招いた。林頭の手には手書きの色紙が掲げられている。 &n […]
週刊キンダイvol.018 〜編集という大海に、糸を垂らして~
海に舟を出すこと。それは「週刊キンダイ」を始めたときの心持ちと重なる。釣れるかどうかはわからない。だが、竿を握り、ただ糸を落とす。その一投がすべてを変える。 全ては、この一言から始まった。 […]
55[守]で初めて師範を務めた内村放と青井隼人。2人の編集道に[守]学匠の鈴木康代と番匠・阿曽祐子が迫る連載「師範 The談」の最終回はイシスの今後へと話題は広がった。[離]への挑戦や学びを止めない姿勢。さらに話題は松 […]
目が印象的だった。半年前の第86回感門之盟、[破]の出世魚教室名発表で司会を務めたときのことだ。司会にコールされた師範代は緊張の面持ちで、目も合わせぬまま壇上にあがる。真ん中に立ち、すっと顔を上げて、画面を見つめる。ま […]
コメント
1~3件/3件
2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。