何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

毎週水曜日は、週刊キンダイの日。
いよいよvol.10を迎えました。ということは55[守]も10週目。
ふぅ~と一息、お茶でもどうぞ。
どんなことにも編集機会が待っている
近大生にとって稽古Dayは編集チャンスが詰った特別な日。開催の後は決まってマグロワンダフル教室が賑わう。
偶然のchance 必然のchain
ちょうどチャイ飲んでたので紅茶を取り上げました。
(マグロワンダフル教室 Yさん)
たまたま飲んでいたチャイから、ストレートティ、レモンティ、ミルクティなど紅茶の種類を想い浮かべ、さらには摘採・萎凋・加熱・揉捻・乾燥といった製造工程まで調べ尽くした回答に至った。
日常ではそこまで考えることはないが、稽古では注意のカーソルが向いたその場から編集チャンスが訪れ、どこまでも深みにはまってゆける。
数寄をcharge 回答へchallenge
戦国武将が好きなので、これを分類する時、一番しやすいのが鍋料理だった。(マグロワンダフル教室 Aさん)
008番「豆腐で役者を分ける」では、織田信長は気性が荒いので『キムチ鍋』、豊臣秀吉といえば金だから『てっちり』、じっくり待つ徳川家康はさしずめ『牡丹鍋』と戦国時代の偉人を鍋料理で分けた回答がやってきた。鍋の分類なら戦国時代に詳しくなくても「なるほど、そんな気がする」と思えてくる。知ってることは、知らないことを連れてくるのだ。
見立ててcharm 繋がる channel
「プロトタイプ」のお題では、お中元を知らない人に説明する。お中元文化そのものが薄れている昨今、大学生にとってはなんのことかも分からないかと思いきや、”お中元とは夏の感謝の贈り物”とキャッチコピーになりそうな粋で要約の効いた回答が届いた。
めっちゃサクサク進みました。しっくりくる単語が次々出てきて楽しかったです。(マグロワンダフル教室 Sさん)
日本語には古来の慣習をなんとなく共有できる不思議な力がある。
No chase , No change
7月に入り第2回番選ボードレールが始まった。古代ギリシア時代の編集技法「ミメーシス」と「アナロギア」を一種合成した「ミメロギア」というお題では一見して関係のなさそうな言葉から似ている部分と違う部分といった矛盾を際立たせ、新しい関係を見いだす。地を変えればその関係線は星の数ほどある。
よく分からない。どう考えてもわかりません。
025番トップ回答のAさんは、こう振り返りながらも回答数はなんと18個。わからないけど、やる。このとことんっぷりが、頭の中の変化を生み出すのだ。カーチェイスをするように「ぜったい捕まえるんだ」という気概で追いかけてほしい。回答を出し尽くして、まだ誰も見たことのない関係線をつかまえよう!
マグロワンダフル教室では、あれこれのCHAが飛び交っている。
CHAnce・CHAllenge・CHArge・CHAin…
CHAとは茶のこと。煎茶、番茶、麦茶、烏龍茶、紅茶と飲むためのお茶だけではなく、日常茶飯事、無茶ぶり、茶々を入れるなど、私たちの生活は茶であふれている。それもそのはず、茶の語源は余り、余白のことなのだ。
お茶ほど日本人の生活に広く深く関わっているものはない。おそらくコメをとらない1日はあっても、お茶を一杯も飲まない1日はめったにないのではないか。
『見立て日本』(著・松岡正剛/写真・太田真三)
マグロワンダフル教室は今日も元気に営業中、美味しい鮪を堪能した後は、やはり「あがり」でしょうか。
幻の編集稽古メニュー?
大将、ごちそうさまでした!
アイキャッチ・図/稲森久純(55[守]師範代)
文/一倉広美(55[守]師範)
週刊キンダイ 連載中!
週刊キンダイvol.001 ~あの大学がついに「編集工学科」設立?~
週刊キンダイvol.002 ~4日間のリアル~
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
花伝所の指導陣が教えてくれた。「自信をもって守へ送り出せる師範代です」と。鍛え抜かれた11名の花伝生と7名の再登板、合計18教室が誕生。自由編集状態へ焦がれる師範代たちと171名の学衆の想いが相互に混じり合い、お題・ […]
これまで松岡正剛校長から服装については何も言われたことがない、と少し照れた顔の着物姿の林頭は、イシス編集学校のために日も夜もついでラウンジを駆け回る3人を本棚劇場に招いた。林頭の手には手書きの色紙が掲げられている。 &n […]
週刊キンダイvol.018 〜編集という大海に、糸を垂らして~
海に舟を出すこと。それは「週刊キンダイ」を始めたときの心持ちと重なる。釣れるかどうかはわからない。だが、竿を握り、ただ糸を落とす。その一投がすべてを変える。 全ては、この一言から始まった。 […]
55[守]で初めて師範を務めた内村放と青井隼人。2人の編集道に[守]学匠の鈴木康代と番匠・阿曽祐子が迫る連載「師範 The談」の最終回はイシスの今後へと話題は広がった。[離]への挑戦や学びを止めない姿勢。さらに話題は松 […]
目が印象的だった。半年前の第86回感門之盟、[破]の出世魚教室名発表で司会を務めたときのことだ。司会にコールされた師範代は緊張の面持ちで、目も合わせぬまま壇上にあがる。真ん中に立ち、すっと顔を上げて、画面を見つめる。ま […]
コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
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作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。