何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

日本サッカー協会は「2050年までにW杯優勝」という目標を掲げている。ならばイシス編集学校は「2050年までに編集を日本のインフラにする」と目論んだのは学林局林頭・吉村だ。ところが校長松岡は一蹴。「2050年では遅い。いまから5年でやりなさい」。
かつて講座修了イベント・感門之盟を2週間ぶっとおしでやった男、吉村だ。この程度でひるまない。すぐさま5年後の「2028年」に照準をあわせて、日本イシス化計画「インタースコア2028」をキックオフ。校長からは「イシス編集学校でさまざまなことを同時に立ち上げ始めてもらいたい」とのオーダーも出された。イシスの軍団力発揚の嚆矢とすべく、吉村はとある集団に招集をかけた。その名を、実香連(じっこうれん)という。
▲校長松岡正剛による実香連の書。
イシス編集学校の外部へ編集を伝えるための場を創出する。これが実香連の使命である。メンバーは師範代養成講座・花伝所を修了したのち実香連に加わり、独自の課題や研修、リハーサル個別指導、実地トレーニングなどを経て、編集ワークショップをナビゲートするプロとしてデビューする。未入門者向けの編集体験エディットツアーや学校説明会、企業向けの情報編集力研修やリベラルアーツ研修、大学や図書館でのブックワーク講座など、さまざまなワークショップの場をエディットしてきた。
5月末、実香連を牽引してきたベテラン勢に吉村はこう告げた。
これからは週一でワークショップを開催していきたい
学林局局長・佐々木が年内のスケジュールを映し出すと、吉村はすかさずメンバーの予定を確認しはじめる。「みなさん、ご都合はいかがですか?」と軽くボールを蹴ったあと、鋭いパスが飛んだ。
若林さん、どの日程ならいけそうですか?
吉村のファーストパスのお相手は若林牧子だった。基本コース[守]の番匠として講座を支え、ワークショップでのおもてなし力で右に出る者はいない食と農のコーディネーター。エディスト名鑑では「アシスタントにしたいNo.1師範」と言われるだけの抜群のトラップでパスを受けとめた若林は、すぐに日程を返す。これで勢いづいたメンバーたちは次々にパスを回し、あっという間にワークショップの日程が仮留めされた。
▲多彩で多才なメンバーが顔を合わせた。師範にAIDAに読衆にとつねにハイチャージな空飛ぶアセットマネージャー平野しのぶ/イシスが誇る「ワークショップ四天王」の異名を持つNPO法人起業支援ネット代表理事久野美奈子/実香連の花、企業研修の幹として数多くのワークショップを手がけ物語の根を広げる人事のS。前人未踏の4期連続師範代登板という偉業でイシス史にその名を刻んだハレ暦案内人藤田小百合。冊師、共読ナビ、大学講師、書籍編集、メンタルコーチとマルチに活躍するハイパーエディター田中むつみ/テキスト&ヴォイスで出会った者たちを編集の虜にする魅惑のジャズシンガー中原洋子/そして宮之原立久の姿もある。編集稽古と指南の基本をつくりあげ、システム構築にも携って「教頭」としてイシス編集学校の創立に尽力した大ベテランだ。
週に一度のワークショップ開催のほかにも、次のようなワークショップ編集を実香連で仕掛けていく予定だ。
◎少人数制でより手厚く
エディットツアーや学校説明会を、これまでより参加者の人数を絞って開催する。少人数だからこその参加者同士の交わし合いの機会や、個別のご質問・ご相談を受ける時間を充実させる。
◎多色なワークショップエディターによる独自企画も
通常のワークショップに加えて、それぞれのワークショップエディターのエディティングキャラクターを活かした独自のワークショップの企画も行っていく。
◎企業研修の拡充へ
企業向けには「情報編集力」「アナロジカルシンキング」「クエストリーディング」等の公開コースに加えて、企業別のカスタマイズ研修を従来より行ってきたが、ビジネスシーンにおける編集力への注目度は増す一方である。そんな時代の潮流を見据え、カスタマイズ型の研修をより広く展開していく。
さらに実香連の運営体制の強化プランも発表された。メンバーの技能更新の場を充実させるとともに、新メンバーを招き入れ、林頭吉村みずからがワークショップエディターとしての手ほどきをする研修プログラムも近日予定されている。
ミーティングのあと、まっさきに駆け出したのは上杉公志だった。松岡校長期待のiGEN7人衆であり遊刊エディストや千夜千冊の編集部など引く手あまたの音楽家は、誠実なタクトさばきで6月8日(木)の学校説明会をナビゲートした。つぎは米田奈穂の出番である。風韻講座で最優秀賞「ポケット太夫」に輝き、遊刊エディストJUSTライターでの活躍も光る文楽フェチで近江ラヴな大学司書の米田は、6月24日(土)14時よりオンライン学校説明会をナビゲートする。
学校説明会の参加は無料だ。チケットのかわりに好奇心を持って、ぜひ編集スタジアムに遊びにきていただきたい。
https://shop.eel.co.jp/products/detail/551
▲スタジアムへの入場はこちらから。時間は90分。熱烈なご質問などがあればアディショナルタイムもあり得る。
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
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2025-10-02
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