ISIS now 遊撃するブックウェア●参のドク:大音美弥子冊匠【89感門】

2025/09/25(木)15:00
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参のドク:多読アレゴリア

 

多読アレゴリアは、身体や終活、音楽、子ども、そして千夜や大河など、多様なテーマや本をもとに編集を進めるイシス独自のクラブ活動。「ISIS now 遊撃するブックウェア」(第89回感門之盟)のプレゼンテーターは、伝説の書店「松丸本舗」の名物ブックショップエディターにして読書の匠、大音美弥子冊匠である。登場するなり、「(松岡正剛)校長の本を買いたい読みたい気分が高まってきたところで、では読んでどうするのかという話をする」とここまでとこれからをつなぐ。

 

人と本と場をつなぎ自在に往還するという、「ブックウェア」のコンセプトがはじめて披露されたのが松丸本舗であり、その考え方は近畿大学図書館ビブリオシアター角川武蔵野ミュージアムに引き継がれた。編集学校では多読ジムというコースウエアとなり、昨年、細胞分裂するかのごとく複数のクラブを孕む多読アレゴリアが生まれた。

 

方法の核は共読。「情報はひとりでいられない」ように、本もひとりで読んではいけない。

 

あわせ・かさね・きそいから生まれるヨミの国、多読アレゴリア。11月23日(日)・24日(月・祝)に本楼にて開催される別典祭の予告も。田中優子学長、ISIS co-missionメンバー武邑光裕氏を迎えたゲストトークもあれば、ファッションショー、ゲームプレイ、本市もあり。あおれ、キョウドク。

 

▼以下順次公開
壱のドク:『百書繚乱』と千夜千冊絶筆篇
弐のドク:『世界のほうがおもしろすぎた──ゴースト・イン・ザ・ブックス』『Birds』
参のドク:多読アレゴリア【本稿】
肆のドク:ほんのれんラジオ/多読アレゴリア「ほんのれんクラブ」
伍のドク:九天玄氣組プロジェクト Qten Genki Book『九』刊行など

 

アイキャッチ/後藤由加里
文/白川雅敏

  • 白川雅敏

    編集的先達:柴田元幸。イシス砂漠を~はぁるばぁると白川らくだがゆきました~ 家族から「あなたはらくだよ」と言われ、自身を「らくだ」に戯画化し、渾名が定着。編集ロードをキャメル、ダンドリ番長。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。