何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

「EDIT TIDE」と銘打たれ、初の3日間開催となった第83回感門之盟。3日目の2024月3月23日、物語講座[遊]績了式が終わると、多読スペシャル「鴻巣友季子を読む」の読了式がはじまった。
<多読ジム>の講座ディレクターである冊匠・大音美弥子は、本楼の壇上でマイクを握るや晴れやかな笑顔を見せた。「イシス編集学校の辺境だとか最後の秘境などといわれる<多読ジム>が、感門之盟の掉尾を飾ることができて非常に誉におもいます」。読書を講座にする、それも松岡正剛の読相術を講座にするという稀代のプログラムが誕生して5年目、はじめて<多読ジム>が感門之盟の次第に加わったのだ。
1月のオープニングセッションで鴻巣さんは、「読書とは函や部屋の中に入って未知の世界へ運ばれていくこと」だと語った。ならば<多読ジム>はその函や部屋に「窓をつけ、エディティング・モデルの交換をしていく場。それによって私たちはなにを目指しているのでしょうか」と問いながら、大音は多読航海の海図を広げる。
かつて本を読むという行為は「音読」だったが、音読が絶えて「黙読」が主流となり、いまでは読書は孤独な作業になってしまった。しかし、読書を孤独にせず、一緒に読んでいこうというのが<多読ジム>のスタイル。本来は人を結ぶために物語があり、本があり、読むことによってわたしたちはさまざまな知恵を受け継いできた。
だれかと共に読む「共読」という方法によって、多読の旅は未知へと進む。さらに多読ジム特別編の「多読スペシャル」では、共読の仲間として「著者」を招き入れ、同じ船に乗ってしまうという格別の仕掛けもある。「読書は交際だ」とは校長の言葉だが、「著者」と深くお付き合いをし、著者の選んだ本を高圧に浴びて「読み」を深め、思いもよらない「作品」のアウトプットに向かう5週間。旅の終わりには、アワードの講評を直接著者から受けられるという夢のような仕立てとなっている。
これまで大澤真幸さん、村田沙耶香さん、今福龍太さんとのスペシャルな航海を経てきたが、4度目に手を組んだ鴻巣友季子さんは「著者」であると同時に多読スペシャル初の「翻訳家」でもある。イシス編集学校で「翻訳がお題になる」ということも画期的だった。
はじめて尽くしの多読スペシャル「鴻巣友季子を読む」読了式。世田谷豪徳寺の本楼とZoomでこの場に集った者たちは、このあと感門之盟という舞台に生まれるイシスのあらたな潮目(TIDE)に遭遇していった。
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
【参加者募集】56[守]にも間に合う!10/12(日)本楼エディットツアー
アタマが固い、鈍い、動かない。もうAIには敵わない…と諦める前に、「編集術」を試してみませんか。 10/12(日)14時からの「本楼エディットツアー」では、松岡正剛の編集術を使ったいくつかの編集ワークを体験いただきます。 […]
【田中優子の「酒上夕書斎」】はご存じだろうか?5月に優子学長がはじめた読書系YouTube LIVEで、毎月とっておきの1冊を紹介している。だがオープニングが独特。「まずはひと口飲みますね」と言って赤ワインをゴクリ。本よ […]
10匹の出世魚、ただいま誕生!55[破]出世魚教室名発表【89感門】
イシスの魚はマグロだけじゃない。カワル、メトード、ほたほた・・・ふしぎな魚が泳いでいる。 [守]師範代から[破]師範代へかわるとき、EDITされる教室名を”出世魚”という。55[破]に遊撃する10匹の出世魚 […]
東京は急に秋めいた。朝晩は肌寒いくらいだ。ちょっと温もりがほしいとき、お茶やカフェオレ、ホットワインで温まるのもいいが「先達文庫」もオススメだ。 55[守]師範代に贈られた先達文庫は計18冊。感門之盟で手渡 […]
【参加者募集】とっておきのお茶×読書×編集体験!9/13「本楼共茶会」コールドブリューベリーモヒート茶篇
9月13日(土)、松岡正剛プロデュースのブックサロンスペース「本楼」にて、お茶×読書×編集で参加者のみなさまを意外な世界へお連れする「本楼共茶会」(ほんろうともちゃかい)を開催します。7度目となる今回は「コールドブリュー […]
コメント
1~3件/3件
2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。