何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

50[守]の年の瀬は賑やかだ。連日連夜、汁講が開催されている。
師範代は、教室の「与件」をキッカケに、「不足」を契機にして汁講のプランを立てる。
代々ビオトープ教室とミネルバ・ロードス教室は、第2回番選ボードレールのお題である【025番:即答・ミメロギア】の出題を「与件」として、その直後に汁講の日程を設定した。
【お題:即答・ミメロギア】
1)焼き芋・寄せ鍋
2)サッカー・駅伝
3)猫・新聞
4)サロン・カフェ
5)江戸・東京
6)モーツァルト・ベートーベン
7)偶然・必然
代々ビオトープ教室の森川師範代は「猫・新聞」に、ミネルバ・ロードス教室の黒田師範代は「江戸・東京」に焦点をあてたミメロギア・ワークを実施した。
ワークの手順はこうだ。
1)左側の言葉(猫、江戸)から連想するモノやコトをチャットに挙げる
2)右側の言葉(新聞、東京)から連想するモノやコトをチャットに挙げる
3)1)2)で挙げられた情報からひとつずつ選んで対比させる組み合わせをつくる
4)ミメロギアの回答をつくる
ひとりのアタマのなかで動いている編集プロセスを分節化し、ひとつひとつ、全員で共読しながら進めることでイメージの拡張を加速させる。
モノゴトのアーキタイプを探すには、コンパイルがものを言う。このプロセスを体験しておけば、ひとり稽古でも共読稽古でも、それを重視するようになる。なにより、コンパイルが楽しくなる。
いずれの教室も10分程度で、師範代の予想を超える数の回答が挙げられた。
この記事をご覧になっているみなさんに、回答を少しお見せしよう。
<代々ビオトープ教室>
こたつ好きな猫・防寒の新聞
のんびりな猫・定時の新聞
子沢山の猫・実沢山の新聞
“たま”と呼ばれる猫・“アレ”と呼ばれる新聞
<ミネルバ・ロードス教室>
長屋の江戸・シェアーハウスの東京
火事の江戸・防災の東京
火事の江戸・イルミネーションの東京
しりっぱしょりの江戸・ノーネクタイの東京
ミメロギアの「即答」は始まった。ここから学衆は自身の回答の言い換えを重ね、対比する情報の特徴を際立たせていく。情報と情報の間にある「見えない関係」を、学衆自身が新たに発見するまで繰り返される。
学衆のみなさん、あなたが発見しようとしているまだ「見えない関係」は、師範代にも予測がつかないのだ。
でもとことん付き合ってもらうといい。
師範代は、あなたの回答が持っている「思ってもみないような可能性」にかけているのだから。
阿部幸織
編集的先達:細馬宏通。会社ではちゃんとしすぎと評される労働組合のリーダー。ネットワークを活かし組織のためのエディットツアー も師範として初開催。一方、小学校のころから漫画執筆に没頭し、今でもコマのカケアミを眺めたり、感門のメッセージでは鈴を鳴らしてみたり、不思議な一面もある。
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
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