評判よりも評価力 44[守]伝習座

2019/12/16(月)16:47
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 和歌の優劣を競う文学遊戯を歌合わせという。平安時代の批評文化を44[守]を「地」にして翻案すると「指南合わせ」になる。

 

 [守]番選ボードレール1回目の講評発表を間近に控えた2019年12月14日。指導陣が集い伝習座が行われた。その中の編集ワークでは師範代たちが3つの組に分かれて目利きである方人(かたうど)となり、先達の指南文を読み込み、「この指南は受容がよくできている」「いいねが多いから言葉をもっと言い換えした方がいい」など方法的な絶賛と酷評を交しあった。更に師範が判者となり、師範代たちの「指南合わせ」を評価し判定する。

 

 評判ではなく評価の力を磨く。平安に生まれた日本の方法を手に、[守]は後半に向かっていく。

 

 伝習座当日の様子はショートムービーでお届けする。

 

  • 後藤由加里

    編集的先達:石内都
    NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。