【特集】ETS群島リレー17@沖縄2 ”沖縄の夏が終わった”の地は?

2019/10/11(金)13:00
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(※前編はこちら

 

「あらゆる情報は地と図がセットになっています。上司・部下の人間関係や、同じニュースでも解釈の相違がでてくるのも、地がそれぞれ異なるためです」。身のまわりの情報(図・分子)には、必ず背景(地・分母)が隠れている。

 

 折しもこの日は、甲子園県代表の沖縄尚学高校が千葉県の習志野高校に延長のすえ敗れた翌日。テーブルコーチの真武信一師範は、例として「沖縄の夏が終わった」という新聞記事の表現を挙げる。「ここには”沖縄県民にとって”、という地があります。もし勝利した習志野高校側だったら全く異なる見出しになりますよね」。相手の身になって考えることも、文脈を読むことも、この地をどう解読するかにかかっていることに参加者も気づき始める。

 

 いよいよ本題の沖縄編集に向かう。10分をかけて「たくさんの沖縄」を付箋に書き出していく。なかなか手が動かない参加者の様子に、テーブルコーチの渡會真澄師範は「あるもの・ないもののフィルターを沖縄でも使ってみたら?」、萩原雄三師範代は「自分の好きな沖縄から書いてみよう」と差し入れ。いったん手が動き出すと連想が加速しはじめる、3つのテーブルから多様な沖縄の島々が立ち上がった。

 

【自然と共に】
・青空と潮風の島
・トロピカルな常夏国
・世界自然遺産までもう一歩の森と生物の島

 

【人と共に】
・子ともがたくさん産まれる場所
・多種多様な祭りの島
・アジアに一番近い日本

 

【歴史と共に】
・悲しい戦争の歴史をもつ島
・命とくらしがおびやかされる基地の島
・ご先祖様と土地を大事にする場所

  • 上杉公志

    編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。