何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

戦後80年のこの夏、多読アレゴリアのクラブ【勝手にアカデミア】は、高見順の『敗戦日記』を共読します。
「鎌倉アカデミア」は、戦後すぐ、鎌倉に誕生しました。敗戦で「なにもない」中、人々が欲したのは「知」であり「学びの場」だったのです。
【勝手にアカデミア】はこれまで、「鎌倉アカデミア」の学びのモデルをもどきつつ、当時の学びを追体験してきました。24冬は、「鎌倉アカデミアの時代とトポス」に目を向け、25春はクラブ内に「映画科」を開設。「鎌倉アカデミア」で学んだ鈴木清順に没入&映画鑑賞、オリジナル映画チラシを作成しました。
そしてすぐそこに迫る25年夏。
今度は、「文学科」を開設します。中心に取り上げるのは、「鎌倉アカデミア」の講師のひとり、高見順です。
彼が同大の教壇に立って発した「開講の辞」を、一部紹介します。
「学ぶ」ということは、どういうことか。
「書く」ということは、どういうことか。
「学ぶ」――自分にないものを自分の内部に入れる。自己の受容。
「書く」――自分に有するものを自分の外部に出す。自己の表現。
「学ぶ」
A、書物から学ぶ。
B、生活(現実)から学ぶ。
「書く」
○書くことは、生むことである。
○書くことは、考えることである。(『高見順日記 第7巻』勁草書房)
高見順は、「書け、病のごとく書け」と自らを叱咤し、戦中も日記を書き続けました。『敗戦日記』は、昭和20年1月から12月の記録です。ここに、80年前の日本がタイムカプセルとなって保存されているのです。
カプセルを開けるのは(学ぶのは)あなたです。
▲高見順『敗戦日記』中公文庫
文/角山祥道(み勝手)
今年の夏は、ブンガクしよう。
多読アレゴリア2025夏 【勝手にアカデミア】
播種(運営メンバー):大塚宏(せん師)、原田祥子(お勝手)、角山祥道(み勝手)
【申込】https://shop.eel.co.jp/products/tadoku_allegoria_2025summer
【定員】20名(勝手にアカデミア)
【開講期間】2025年6月2日(月)~8月24日(日)
【受講資格】どなたでも受講できます
【受講費】月額11,000円(税込)
※ クレジット払いのみ
※ 初月度分のみ購入時決済
以後毎月26日に翌月受講料を自動課金
例)2025夏申し込みの場合
購入時に2025年6月分を決済
2025年6月26日に2025年7月分、以後継続
募集開始★多読アレゴリア 2025・夏スタート!!!!!!!
▼倶楽部撮家
写真仲間求む!編集術でカメラと戯れる【倶楽部撮家】が多読アレゴリアにやってきた
▼カオス的編Rec
津田一郎監修クラブ【カオス的編Rec】誕生!科学的読書法に学び、「Qの地図」を描く
▼勝手にアカデミア
この夏、高見順の『敗戦日記』を読む
▼軽井沢別想フロンティア
▼大河ばっか!
▼EDO風狂連
▼よみかき探Qクラブ
▼終活読書★四門堂
▼身体多面体茶論
勝手にアカデミア
編集的先達:三枝博音。多読アレゴリアの【勝手にアカデミア】は、鎌倉に生まれた伝説の学校「鎌倉アカデミア」をもどきながら、トポスにトピカ、映画に産業、文学に演劇……などなど勝手に学び、勝手に語らい、勝手に創出する。
【勝手にアカデミア】夏の俳句ingレポ(秋メンバー募集中!)
《念力のゆるめば死ぬる大暑かな》(村上鬼城) なんて物騒な俳句もございますが、仲間がいれば念力いらず、われらが【勝手にアカデミア】(多読アレゴリア)は去る7月27日、酷暑に負けず「鎌倉俳句ing」と洒落込みました。【勝手 […]
戦後すぐに鎌倉にできた伝説の学校「鎌倉アカデミア」。多読アレゴリアの【勝手にアカデミア】では、同校の「学びのモデル」を取り出してきた。25年夏シーズンは、同校の文学科講師、作家の高見順が昭和20年の1年間を綴った『敗戦 […]
【勝手にアカデミア】『鈴木清順エッセイコレクション』×3×REVIEWS
戦後すぐに鎌倉にできた伝説の学校「鎌倉アカデミア」。多読アレゴリアの【勝手にアカデミア】では、同校の「学びのモデル」を取り出してきた。25年春シーズンは、同校の映画科をもどき、卒業生・鈴木清順の方法を共読した。ではいっ […]
【勝手にアカデミア】『三枝博音と鎌倉アカデミア』×3×REVIEWS
松岡正剛いわく《読書はコラボレーション》。読書は著者との対話でもあり、読み手同士で読みを重ねあってもいい。これを具現化する新しい書評スタイル――1冊の本を3分割し、3人それぞれで読み解く「3× REVIEWS」。 多 […]
コメント
1~3件/3件
2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。