“子ども編集学校”誕生秘話

2019/08/04(日)09:00
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子ども編集学校の門が開いた日

 松井家に激震が走った。2014年4月12日(金)、長男コウタが入学式からまだ2日しか経っていないのに登校拒否をした。翌13日(土)、イシス編集学校・学林局の吉村林頭よりコウタの母親宛に電話が入る。「一週間後に始まる33[守]の師範代を引き受けてください」。

 

 松岡正剛校長が名づけた教室は「晴れたらエクリ教室」。もう一つの学校、もう一つの教室がコウタを別世界へと誘う。そこでは彼の母親がセンセーであり、日本各地の8名の大人たちが生徒である。リアルとネットをまたぐインタラクティブなやりとりは家庭にも爽快な風を吹きこみ、創(きず)を負った子どもは編集稽古の「門前の小僧」として蘇った。


 あっと驚くコンティンジェンシーを目の当たりにした松井師範代は、居ても立ってもいられない。佐々木千佳局長に「子ども編集学校を実現させたい」と熱烈メッセージを送った。

 

 たちまち、「よみかき&おやこ」準備ラウンジがオープン。スタートメンバーは佐々木局長、川野貴志、吉野陽子、そして松井路代。かねて局長が大切に温め、長く胎動していたプロジェクトは無事に生まれ落ち、育ち始めた。

  • 松井 路代

    編集的先達:中島敦。2007年生の長男と独自のホームエデュケーション。オペラ好きの夫、小学生の娘と奈良在住の主婦。離では典離、物語講座では冠綴賞というイシスの二冠王。野望は子ども編集学校と小説家デビュー。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。