何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

やまぶき式部、井組の親分、岡村城の若殿、月姫、セブ島のゴーシュ。25[花]やまぶき道場は全員が別名を持っていた。31回を数える花伝所史上、類をみない試みだった。
命名者は松本礼子。仲間の奮闘を励みに4週目にたどり着いた感謝を名前に込めた。質量・熱量ともダントツの井ノ上裕二は親分。相手への心配りが抜群で、場を和ませる岡村修司が若殿。月姫こと池永月子は共感力が高く、登場のたびに道場をパッと明るくする。
一歩ずつ切実に進む最年少の佐藤英太はセロ弾きのゴーシュになぞらえた。松本はやまぶき式部。細かな観察力とた手弱女(たおやめ)ぶりに注意のカーソルを当て、花伝師範・清水伺名子が名付けた。
背負った名はそれにふさわしいカマエを引き出す。親分はゴーシュの追いかけるべき背となり、月姫と若殿と式部は互いの長所に倣いあった。これが翌週に迫った錬成への追い風に。相互編集が加速すると指導へのフィードバックも具体的になり、編集工学への理解も深まっていく。
放伝した5人は全員師範代として教室名を持った。松本と佐藤は38[守]で、でんでんシモーヌ教室、不足大事教室を名乗り、岡村は39[守]ブレイク半歩教室、池永は41[守]オカンの下弦教室の師範代をつとめた。井ノ上は38[守]・[破]の熱線シーザー教室師範代のあと、[守]の師範を歴任し、次はいよいよ番匠へ。
名を追い、名を負って走り出した聖火ランナーたちはもう誰にも止められない。
しみずみなこ
編集的先達:宮尾登美子。さわやかな土佐っぽ、男前なロマンチストの花伝師範。ピラティスでインナーマッスルを鍛えたり、一昼夜歩き続ける大会で40キロを踏破したりする身体派でもある。感門司会もつとめた。
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コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
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