セイゴオ秘蔵音源、ついに蔵出しか

2019/12/16(月)10:09 img
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 編集工学研究所には、文字化されていない松岡正剛校長の講演音源が大量に眠っている。書き起こし隊は、SNS伝奏連のブレストから生まれた。それをプロジェクトにまで発展させたのは福田恵美師範代だ。汁講、10[離]の同窓会、[遊]風韻講座の連句の座、あらゆる機会をとらえては声をかけ、有志を募った。


 プロジェクト名はその名も蔵出し隊。校長の語りを文字にする。声に耳を澄ませ、指先でキーボードをたたく。何度も何度も音源を巻き戻す。そして、隊員同士の相互チェックを経て仕上げていく。

 

 どうしても音と言葉が結びつかなかったところを他の隊員があっさり埋める。自分の世界の捉え方の死角に気がつくこともしばしばだ。


 隊員がもっとも迷ったのは編集の加減。書き起こしただけでは伝わらない。声から文字になって失われるもの、文字になって付け加えられてしまうもの。松岡校長の話にどこまで隊員の編集が関与していいものか。編集の及ぼしている力の大きさを実感する。


 こうして磨かれたお宝群は、「遊刊エディスト」でついに蔵出しとなる予定だ。

  • 林 愛

    編集的先達:山田詠美。日本語教師として香港に滞在経験もあるエディストライター。いまは主婦として、1歳の娘を編集工学的に観察することが日課になっている。千離衆、未知奥連所属。

コメント

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堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。