何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

遊刊エディストが、創刊以来5回目の秋を迎えた2023年10月の編集会議で、吉村堅樹編集長の”ないものフィルター”が動いた。
新聞などのメディアにあって遊刊エディストに今ないもの。
それは、“名物コラム”ではないか。リレーコラムをはじめよう。 (吉村堅樹編集長)
こうして、吉村編集長があくなき情熱をかたむけてディレクションするエディストに、新コーナーが加わることになった。リレーコラムの名前は、「遊姿綴箋(ゆうしてんっせん)」である。
「遊姿綴箋」と名付けたのは、遊刊エディストだけに、また松岡正剛校長の『遊』にあやかる意味もあり、
やはり“遊”の文字は必ずいれようと考えていました。
このコラムでは、毎月テーマを決めて、腕のあるライターたちが同じテーマを綴ります。
それぞれが、編集を自在に遊んでいる姿を短いコラムとして綴ってもらいたいんですね。
ただ、言葉の響きは有刺鉄線ですから、ちょっとした毒や棘もあるといい。社会風刺的なものがあってもいいですね。 (吉村堅樹編集長)
メディアにとっての名物コラムは、いわゆる「顔」だ。世の中のテーマをとらえながら、そのメディアの“らしさ”を表現し、人々を楽しませる。ときには問題提起や社会風刺を示すこともあり、大事な役割を担う。イシス編集学校の各種講座を担当する指導陣が綴るエディスト記事が、編集工学を伝える骨のある”社説的コラム”とするなら、「遊姿綴箋」は肩の力を抜いて楽しめる”遊戯的コラム”といったところだろうか。もともと遊戯の字には、いっさいの束縛を脱して自由自在の境地にある、という意味がある。
今回、松岡正剛校長の名作、オブジェマガジン『遊』の文字をとったエディストがはじめる「遊姿綴箋」で執筆を担当するのは、選りすぐりのエディスト・ライターたちだ。編集長の呼びかけに応答し、ユニークなバックグラウンドの書き手たちが集まった。このメンバーが2024年5月まで担当する。
梅澤奈央 さん
編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。 イシス編集学校メルマガ「編集ウメ子」配信中。
https://edist-test.jpn.org/author/umezawa/
小倉加奈子 さん
編集的先達:ブライアン・グリーン。病理医で、妻で、二児の母で、天然”じゅんちゃん”の娘、そしてイシス編集学校「析匠」。仕事も生活もイシスもすべて重ねて超加速する編集アスリート。『おしゃべり病理医』シリーズ本の執筆から経産省STEAMライブラリー教材「おしゃべり病理医のMEdit Lab」を開発し、順天堂大学内に「MEdit Lab 順天堂大学STEAM教育研究会」を発足。野望は、編集工学パンデミック。
https://edist-test.jpn.org/author/ogura/
林 愛 さん
編集的先達:山田詠美。日本語教師として香港に滞在経験もあるエディストライター。いまは主婦として、1歳の娘を編集工学的に観察することが日課になっている。千離衆、未知奥連所属。「多読ジムSP大澤真幸を読む」では冊匠賞を受賞。
https://edist-test.jpn.org/author/hayashi_ai/
原田淳子 さん
編集的先達:若桑みどり。姿勢が良すぎる、筋が通りすぎている破二代目学匠。優雅な音楽や舞台には恋慕を、高貴な文章や言葉に敬意を。かつて仕事で世にでる新刊すべてに目を通していた言語明晰な編集目利き。
https://edist-test.jpn.org/author/harada_junko/
福田容子 さん
編集的先達:森村泰昌。速度、質、量の三拍子が揃うのみならず、コンテンツへの方法的評価、厄介ごと引き受ける器量、お題をつくり場を動かす相互編集力をあわせもつ。編集学校に現れたラディカルなISIS的才能。松岡校長は「あと7人の福田容子が欲しい」と語る。
https://edist-test.jpn.org/author/fukuda_yoko/
堀江純一 さん
編集的先達:永井均。十離で典離を受賞。近大DONDENでは、徹底した網羅力を活かし、Legendトピアを担当した。かつてマンガ家を目指していたこともある経歴の持主。画力を活かした輪読座の図象では周囲を瞠目させている。エディストでは「まんがのスコア」を担当、50人の作家を模写するシリーズが大好評。
https://edist-test.jpn.org/author/horie/
マンガのスコア(@Xlq35SgkDIyWXP5)さん / X (twitter.com)
山本春奈 さん
編集的先達:レオ・レオーニ。舌足らずな清潔派にして、万能の編集ガール。定評ある卓抜な要約力と観察力、語学力だけではなく、好奇心溢れる眼で小動物のごとくフロアで機敏な動きも見せる。趣味は温泉採掘とパクチーベランダ菜園。愛称は「はるにゃん」。
https://edist-test.jpn.org/author/yamamoto/
12月のテーマは「クリスマス」、「遊姿綴箋」は2023年12月8日からスタート、こうご期待。
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
方法の学校は、ここしかない。世界で唯一の学校【ISIS co-missionメッセージ 井上麻矢×田中優子】
イシス編集学校アドバイザリーボード ISIS co-missionメンバーより、これから「編集」を学びたいと思っている方へ、ショートメッセージが届きました。なぜ今、編集なのか、イシス編集学校とはなんなのか。イシスチャンネ […]
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 10月は開講ラッシュの月。基本コース[守]、応用コース[破]、師範代養成コース[花伝所]、技法研鑽コース[遊] […]
【プレスリリース】「思考の武器、表現の食器、発想の楽器」を手に入れる。生成AI時代を生き抜く「編集力」を38の思考の型で鍛える基本コース第56期[守]、10月27日に開講。
株式会社編集工学研究所(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:安藤昭子)が運営するイシス編集学校は、インターネット上で24時間いつでもどこでも「編集術」を学べる学校として、2000年に開校、25周年を迎えました。 […]
第89回感門之盟「遊撃ブックウェア」(2025年9月20日)が終了した。当日に公開された関連記事の総覧をお送りする。 イシス校舎裏の記者修行【89感門】 文:白川雅敏 本を纏う司会2名の晴れ姿 […]
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
コメント
1~3件/3件
2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。