何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

毎月公開されるEdist記事は30本以上! Edist 編集部メンバーたちから、見逃せない ”今月のイチオシ1本” をお届けします。遊刊エディストをさらに楽しむ「エディスト・セレクション」、どうぞ。
◎遊刊エディスト編集部◎ 吉村堅樹 林頭, 金宗代 代将, 川野貴志 師範, 後藤由加里 師範, 上杉公志 師範代, 梅澤奈央 師範、松原朋子 師範代
を推します。守の学衆さんにとって全教室から見える「別院」って、教室に現れない、得体のしれない人が出てくるし、自分が発言するのはそれなりに勇気が要るところなんですよね。
47[守]はその別院への参加がとても盛んだったということで、そこへのいろんな学衆さんの発言や回答から一期の柄を描き出そうという意欲的な一本です。
引用して束ねて意味づけるっていう、王道の編集的手法が駆使されていて、三國師範のこれからの筆働きが大いに期待されます。
──川野 貴志
47守から師範ロールに抜擢された三國紹恵師範のデビュー記事であり、師範代の感門を寿ぐ師範からのメッセージのように読みました。感門之盟での師範代の涙はそれだけでグッとくるものがありますが、三國さんは涙に秘められた師範代一人ひとりの物語をひもとき、ともに期を並走してきた師範の視点から描きだしています。
この春の47[守]から師範に抜擢された三國さんは、期中にエディストへの執筆をスタートし、現在は師範や番匠に焦点をあてた連載を準備中とのこと。川野さんにつづいて推したい、今最も勢いのあるお一人です!──上杉 公志
涙も笑いも、ともすると追いやられてしまう殺伐とした日常を過ごしている方は、イシスの卒門式を見ると驚きがかくせないかもしれませんね。世の中にある多くのものとメトリクスの異なる、いつも”別様”であり”例外”である編集学校ならではのいち場面を切り取っていただきました。
よっ!三國、二連発!
ひと月まえは、あの感門がありました。オンラインとなりエボリューション目覚ましいしつらえに驚き、画面越しの知のエンターテイメントに沸き立ったあの2日間。エディストにもあのエモーショナルなリアルエディティングの様子が40記事以上にわたって刻印されています。
なかでも、丸洋子師範代によるこの艶なる文章は白眉でしょう。「イーてれのイーはEditCafeのE。だがじっと目を凝らすと折り畳まれていたさまざまな別様のEが綻んでくる」 イーてれの「E」というたった一文字の断点に注目して、そこから無数の鳩でも飛び立たせるように感門参加者のおもいを現出してみせる。丸師範代の手にかかると外来語でさえ、筆で扇にさらさらと書きつけたような嫋やかな表情を見せることに、ため息がやみません。
太田香保総匠が「あますところなく汲み取った名編集」と相好を崩した記事とあわせて、ゆっくり淹れた玉露とともに味わいたい名文でした。──梅澤 奈央
マツコ’s Plus One
”全身から出てくるものだから、文体って真似できないんです” by 田中優子さん
【新春企画★Quedist】田中優子さんインタビュー(3)[離]の学び:高速で仮止めの結論を出す
4 後藤’s イチオシ!
⦿着物のまにまに~時空センスの編集術 #5 二項バランスがすべて
「シンクロするのは心地良きこと」
この一言で全てが腹落ちした森山智子さんの「着物のまにまに#5」。
朝の占いが教えてくれるラッキーカラーや、験担ぎのパワーカラーもいいけど、季節に自分を同化させるという平安時代の方法の方が確かに心地が良さそうです。ではどうしたら心地良くなれるのか?続きは記事でお読みください。
長沢節は「キモノは自分をいつも唄っていたいような服」と書いていましたが、森山さんの連載シリーズはそれこそいつもハミングが聞こえてくるような軽やかさがあり、どこか風通しがよくなる気持ちがします。
最近すっかりおしゃれもご無沙汰になっている!そんな人にこそ読んでほしいシリーズ記事です。ワードローブの前で今日の服に悩む前に森山智子の「キモノ」にご注目を。── 後藤 由加里
マツコ’s Plus One?!
ジャイアンことエディストライター角山が48[守]では、師範として登板。「いきなり有事」を編集機会にした師範代、それを「有事」と捉えて即応記事に仕立てた。準備万端に加えて臨機応変の構えも併せて、速修スリーレディースが手ぐすね引いて待っている。応募締め切りは11月8日。詳細はこちらからどうぞ ── 吉村 堅樹
マツコ’s Plus One???!
角山師範が師範代だったころ。
シリーズ 一気読み! 新師範代登板記
シリーズ 一気読み!! エディスト虎の穴・ジャイアン人物伝
みなさんのオシは、見つかりましたか?
以上、2021年9月の記事から、編集部イチオシ記事を厳選してお届けしました。
また次回もどうぞお楽しみに~
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
方法の学校は、ここしかない。世界で唯一の学校【ISIS co-missionメッセージ 井上麻矢×田中優子】
イシス編集学校アドバイザリーボード ISIS co-missionメンバーより、これから「編集」を学びたいと思っている方へ、ショートメッセージが届きました。なぜ今、編集なのか、イシス編集学校とはなんなのか。イシスチャンネ […]
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 10月は開講ラッシュの月。基本コース[守]、応用コース[破]、師範代養成コース[花伝所]、技法研鑽コース[遊] […]
【プレスリリース】「思考の武器、表現の食器、発想の楽器」を手に入れる。生成AI時代を生き抜く「編集力」を38の思考の型で鍛える基本コース第56期[守]、10月27日に開講。
株式会社編集工学研究所(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:安藤昭子)が運営するイシス編集学校は、インターネット上で24時間いつでもどこでも「編集術」を学べる学校として、2000年に開校、25周年を迎えました。 […]
第89回感門之盟「遊撃ブックウェア」(2025年9月20日)が終了した。当日に公開された関連記事の総覧をお送りする。 イシス校舎裏の記者修行【89感門】 文:白川雅敏 本を纏う司会2名の晴れ姿 […]
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。