何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

毎月公開されるEdist記事は30本以上! Edist 編集部メンバーひとりひとりが厳選した、見逃せない ”今月の推しキジ” を発表です!
◎遊刊エディスト編集部◎ 吉村堅樹 林頭, 金宗代 代将, 川野貴志 師範, 後藤由加里 師範, 上杉公志 師範代, 梅澤奈央 師範、松原朋子 師範代
⦿【ISIS BOOK REVIEW】ノーベル生理学医学賞『ネアンデルタール人は私たちと交配した』書評 おしゃべり病理医の場合
を推します。
小倉さんの語りの魅力はなんといってもその熱と密度。充填された愛と数寄がバーストしているときに、いちばん筆が乗ると思うのです。学問と本と筆者と編集への思いが解き放たれていると同時に、書籍と編集的世界観が緊密に縫い合わされていく。そこはやはり、「冷静と情熱のあいだ」なのでした。「深さに支えられた平明さ」というのは私にとって憧れの境地ですが、堂々とやってのけていらっしゃるなー、と感じ入りました。── 川野 貴志
⦿【ISIS BOOK REVIEW】ノーベル経済学賞『リフレが正しい。FRB議長ベン・バーナンキの言葉』書評~会社員兼投資家の場合(井ノ上シーザー)
⦿【ISIS BOOK REVIEW】ノーベル生理学医学賞『ネアンデルタール人は私たちと交配した』書評〜おしゃべり病理医の場合(小倉加奈子)
⦿【ISIS BOOK REVIEW】ノーベル文学賞アニー・エルノー書評「あのこと」を語るための文体編集~編集かあさんの場合(松井路代)
10月上旬、2022年のノーベル賞が発表となりました。そこからわずか数週間で、シーザー(井ノ上さん)、小倉さん、松井さんの3名が書評記事を届けてくださいました。世の中のメジャーな「賞」に寄せた書評シリーズは、芥川賞・直木賞のブックレビューにつづいて2度目となります。
もちろん、受賞作=優れている、とは必ずしも言い切れないかもしれません。とはいえ、受賞によって社会へ何らかのインパクトをもたらしたのも確かでしょう。このような影響力を持つ受賞作について、イシスならではの多様な職業性をもった方々が「ブックレビュー」として発信しはじめた。エディストがまた新たなフェーズへ移行しているように思えてなりません。
次はどんな書評シリーズが登場するのか。今からワクワクしています!──上杉 公志
マツコ’s plus One!?
書評 第一弾は、芥川賞、直木賞受賞作品を取りあげました〜
○直木賞 『夜に星を放つ』窪美澄 著
○芥川賞 『おいしいごはんが食べられますように』高瀬 隼子 著
⦿【工作舎×多読ジム】ムシ語りに無我夢虫!(小路千広)
毎回、多読ジムばかり推しキジしている気がしますが、今回も多読の話。多読ジムの出版社コラボ企画第二弾、工作舎×多読ジムのエッセイの公開が始まりました。今回のコラボ出版社は松岡校長が編集長を務めた、あの伝説の雑誌『遊』の工作舎。優秀賞に選ばれた人は『遊 相似律』をゲットできるとあってか、エントリーメンバーの熱気が、第一回の「それチン」の燃え盛るようなそれとは違うけれど、静かな、でも確かな熱気が原稿からじんじんと伝わってきます。個人的には大好きなメーテルリンクの『ガラス蜘蛛』がお題本に入っているのがうれしいです。『青い鳥』や『花の知恵』とともに、多読ジムの読衆さんもそうでない人もぜひ手にとってもらいたい一冊です。メーテルリンクの鳥の目・虫の眼・花の芽の編集術は圧巻です。── 金宗代
コラボ企画も、皆さんのエッセイも、世界のどこにもないものにしあがっていますものね♪ メーテルリンクかぁ。読み返してみようっと。
マツコ’s plus One!?
千夜千冊をあわせて読みたい! 定番すぎますか?
★0068夜 2000年6月12日 『青い鳥』モーリス・メーテルリンク、岩波文庫 1929
★1612夜 2016年6月23日 『つぼみたちの生涯 ふしぎの植物学 雑草のはなし/都会の花と木 植物はすごい』田中修、中央公論
★『少年の憂鬱』
4 後藤’s 推しキジ!
─ 1つの記事は次の記事を連れてくる!でPick!
今期の[花]エディストは前期にも増してパワーアップしています。
師範陣のリレー記事「花JUST」に、花目付 深谷もと佳の「週刊花目付」。[花]の今は週に2本記事となってエディストに届けられています。
一際目に止まったのはやはり「スフレ」でしょう。
平野しのぶが初稿を挙げれば、林朝恵が指南をし、江野澤由美がビジュアルイメージを拡げ、阿久津健がデザインのために夜中にスフレを焼く。それを深谷がすかさずキャッチする。
「週刊花目付#39」で深谷は「入伝生たちの冗長度がかつてないレベルでホドが良く、編集的なゾウダンの気風に富んでいる」と評価していましたがこれはそのまま花伝指導陣にも言えるでしょう。
記事はたくさんの情報を連れて書かれていること、煮詰まった時ほどゾウダンするのがいいということを[花]エディストが教えてくれます。 ──後藤 由加里
【第38期[ISIS花伝所]関連記事】
38[花]膜が開く。四色の道場
松岡校長メッセージ「イシスが『稽古』である理由」【38[花]入伝式】
38[花]わかりにくさに怯まない 型と概念と問いのガイダンス
38[花]プレワーク 10の千夜に込められた[花伝所]の設計
[週刊花目付#40] もしも好奇心のみが示された地図があるとしたら
マツコ’s plus One!?
[破]を走る全ての学衆さんにも参考になる情報が満載ですぞ。
【エアサックス加藤の三度目の突破】
01 編集天狗と突破を誓う!
02 インタビューは天狗さまに
03 心がわりの相手は君に決めた!
04 守の型を使い尽くすべし
さあ、みなさんのオシは、見つかりましたか?
以上、2022年10月の記事から、エディスト編集部の”推しキジ” を厳選してお届けしました。
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
方法の学校は、ここしかない。世界で唯一の学校【ISIS co-missionメッセージ 井上麻矢×田中優子】
イシス編集学校アドバイザリーボード ISIS co-missionメンバーより、これから「編集」を学びたいと思っている方へ、ショートメッセージが届きました。なぜ今、編集なのか、イシス編集学校とはなんなのか。イシスチャンネ […]
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 10月は開講ラッシュの月。基本コース[守]、応用コース[破]、師範代養成コース[花伝所]、技法研鑽コース[遊] […]
【プレスリリース】「思考の武器、表現の食器、発想の楽器」を手に入れる。生成AI時代を生き抜く「編集力」を38の思考の型で鍛える基本コース第56期[守]、10月27日に開講。
株式会社編集工学研究所(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:安藤昭子)が運営するイシス編集学校は、インターネット上で24時間いつでもどこでも「編集術」を学べる学校として、2000年に開校、25周年を迎えました。 […]
第89回感門之盟「遊撃ブックウェア」(2025年9月20日)が終了した。当日に公開された関連記事の総覧をお送りする。 イシス校舎裏の記者修行【89感門】 文:白川雅敏 本を纏う司会2名の晴れ姿 […]
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。