何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

毎月公開されるEdist記事は30本以上! Edist 編集部メンバーたちから、見逃せない ”イチオシSelection” をお届けします。遊刊エディストをさらに楽しむ「エディスト・セレクション」、どうぞ。
◎遊刊エディスト編集部◎ 吉村堅樹 林頭, 金宗代 代将, 川野貴志 師範, 後藤由加里 師範, 上杉公志 師範代, 梅澤奈央 師範代、松原朋子 師範代
─ グッときた1本でPick!
「ツイッター朱子学」というちょっとお気軽なタイトルには騙されるな。
なんとなく気楽に読めるかなぁ~と思ったら大マチガイ。一口サイズのつぶやきは読めども読めどもゴールが見えず、20個目あたりで「おや?」と思う。(つぶやきがいくつあるかはあなたの目で確かめてみてください)。エディスト編集部の権限を駆使し、文字数を覗いてみたら優に12000字は超えていた。(文字数だけでいったら最新千夜1777夜『ロココからキュビズムへ』を超えている!)。
ぽつぽつとはじまるツイートは序盤を過ぎればあとは朱子学にまっしぐら。しかし、直線ではなくワインディング。至る所に千夜リンクが貼られていて、金宗代の三冊筋プレスと松岡正剛の千夜千冊が多重螺旋構造のごとく絡み合っている。
想像するに本来の「三冊筋プレス」という多読ジムのお題としては、文字数・形式ともに相当逸脱しているのだろうと思うが、いくつものつぶやきの中には思いがけず、胸に刺さるものもある(ちなみに私は53番目がグサッときた)。”今日のうらない”的に気まぐれにつまみ読みするのもいいかもしれない。
金代将が旗振りをしている多読ジムSeason6の三冊筋プレスも順次公開中。そちらもどうぞご贔屓を。 ── 後藤 由加里
夏休みの読書感想文課題記事にしたいぐらいですよ。編集工学の型や用語が満載で、編集学校に学ぶ方たちにとっては格別の読み物だと思いました。
それに触発された後藤編集部員のオススメ表現がますます閑麗になっていく気がしています。いいなぁ!
オンラインに《ないもの》を炙りだした、2021年ならではの記事です。
この記事では、1694夜『トポフィリア』を引きながら「場所庫」としての本楼に醸成されたものがつまびらかにされています。書き手は、46[破]で唯一、伝習座にリアル参加した角山祥道師範代。北原・齋藤・福田の3師範の何気ない仕草の描写に、お三方の《らしさ》が強烈に迫ってきました。
そうか、ZOOM越しでは「アカン」は聞こえない……。私はこの伝習座にオンライン参加していたのですが、そういう情報が欠けていることにさえ気づかないわけです。その人らしさが否応なく滲みでてしまう息づかいが、画面越しではごっそり抜け落ちてしまう。そしてなくなったことにさえ気づかない危うさを改めて認識しました。
いっぽうで、物理的空間をもたないイシスのバーチャル教室には、なぜトポフィリアが宿るのか。文字だけで、どうしてその人らしさが立ち現れるのか。編集学校の神秘の仕掛けにも目をむけたくなりました。──梅澤 奈央
それにしてもウメコ編集部員のおすすめコメントも、表現がますます優婉な気がするなぁ。と思っていたら、吉村編集長の今月のPickは!!!
⦿タモリ・優作・アレクサンダー 自分史作れば、わたしが増える【イシスの自分史サンプル大公開】
[破]のクロニクル編集術は、自分史と新書の歴象を重ねて再編集する稽古。今春発刊された『情報の歴史21』の編集をミニ追体験できる。そこで会得したいのは、歴史というのは、どのようにも関係づけられ、いかようにも語り直すことができるということだ。この醍醐味を文章だけで語り直すのは難しいが、編集達人・ウメ子が3度再受講した学衆の素材を愉快に調理してみせてくれた。校長もなんでも書けるウメ子のような編集力がいまはもっと必要と太鼓判である。──吉村 堅樹
マツコからは、また別のウメコの魅力をお伝えしておきましょう。
マツコ’s Plus Five ~スポーツ紙かとみまちがう“ウメコきわきわを行く”の巻。
4 マエストロ上杉’s イチオシ!
⦿【このエディションフェアがすごい!01】ブックファースト新宿店
松岡校長の千夜千冊エディション20冊刊行を記念して始まった「千夜千冊エディションフェア」。そのスタートを飾ったのがブックファースト新宿店であり、これは米川青馬さんによるレポート記事です。
セイゴオ「ほんほん」で松岡校長も書かれているように、エディションフェアは「先頭を切った九天玄気組の中野組長チームと名古屋曼名伽組の小島組長の展示が先行モデル」に、「各地のイシス編集学校師範・師範代たちがすばらしいボランティアを推進して、各書店の店長や担当者とみごとなコラボを展開」しつつ拡大しています。
ぞくぞくと公開されている一連の「このエディションフェアがすごい!」記事もあわせてご覧ください!── 上杉 公志
最新のフェア記事はこちら↓
【このエディションフェアがすごい!28】ジュンク堂書店三宮店(神戸市)②
マツコ’s Plus One! ~編集の連鎖⛓
△ ISIS Twitter 合言葉は #知祭り
─ 流麗な文章表現でPick!
⦿イシス人インタビュー☆イシスのイシツ 【浅羽登志也の他力本願】File No.9
が素敵です。
「他力本願」というホットワードで浅羽さんの生き方を表現していますが、これって与件に応じて動く編集そのものだと思うんですよね。記事ではさほど編集術タームをつぎ込んでいるわけではないのですが、取材者の注意のカーソルはインタビュイーの編集態度に向かっていっているので、本質的なところでは、編集とはどういうことなのかを読者に感じさせる内容になっていると思いました。我が国のインターネットのクロニクルを裏側から見ている感じにもなれますね。── 川野 貴志
もともとライター歴が長いそうですね、そんな羽根田さんの目で見つめられた数々のインタビュイーが、“らしさ”はさることながら、またいつもと違う印象や表情を浮かびあがらせているのも、このシリーズのマツコ的魅力。連載10人目が目前です。10人を通じてみえてきた共通する「イシスのイシツとは?」があるのか、ないのか。羽根田さんに伺ってみたい!
みなさんのオシは、見つかりましたか?
以上、2021年6月の記事から、編集部イチオシ記事を厳選してお届けしました。
また次回もどうぞお楽しみに~
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
方法の学校は、ここしかない。世界で唯一の学校【ISIS co-missionメッセージ 井上麻矢×田中優子】
イシス編集学校アドバイザリーボード ISIS co-missionメンバーより、これから「編集」を学びたいと思っている方へ、ショートメッセージが届きました。なぜ今、編集なのか、イシス編集学校とはなんなのか。イシスチャンネ […]
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 10月は開講ラッシュの月。基本コース[守]、応用コース[破]、師範代養成コース[花伝所]、技法研鑽コース[遊] […]
【プレスリリース】「思考の武器、表現の食器、発想の楽器」を手に入れる。生成AI時代を生き抜く「編集力」を38の思考の型で鍛える基本コース第56期[守]、10月27日に開講。
株式会社編集工学研究所(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:安藤昭子)が運営するイシス編集学校は、インターネット上で24時間いつでもどこでも「編集術」を学べる学校として、2000年に開校、25周年を迎えました。 […]
第89回感門之盟「遊撃ブックウェア」(2025年9月20日)が終了した。当日に公開された関連記事の総覧をお送りする。 イシス校舎裏の記者修行【89感門】 文:白川雅敏 本を纏う司会2名の晴れ姿 […]
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コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。