何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

何はともあれおめでとうございます。本日(1/9)はジミー・ペイジのお誕生日です。本の世界から幸せと出会いを運ぶサッショーこと大音がおみくじ本第六弾をお届けします。
通算六人目におみくじ祈願処を訪れたのは【スタジオ栞】<あんどー(いい男)>さん。多読ジムseason04最終日のお昼近くに駆け込みの祈願でした。2020年を託した本は『多読術』松岡正剛/ちくまプリマー新書+『伝習録』近藤康信/明治書院。
では、2021年への抱負(?)も聞いてやってください:
コロナが響かない。職場1分、酒場2分、スーパー5分。自宅から半径50M以内からほとんど出ず、唯一得意技”麻雀”をするのに博多天神地区に出向いていたのだが、1年ほど前から編集学校などに入ったせいで、あまり行けなくなった。お陰でコロナの影響が生活、人生に全く響いてこない。”いい男”あんどーに不幸は近づけない事が、証明されてしまったようだ。これだけ世間様と異なった感覚を持ってしまうと来年は”いい男”(キレッキレッ)になりそうで怖い。
あとは野となれ。ガラガラ・ガンガンガン!
おおーっ、末吉? いや笑吉だそうです。毘沙門天さまのお告げです。
『志ん朝の落語 全6巻』古今亭志ん朝・京須偕充編/ちくま文庫
志ん朝については1692夜『名人 志ん生、そして志ん朝』小林信彦で、そのキラッキラぶりが描かれています。YouTubeで今も高座に触れられ、彼が話し出した途端、江戸の風景が色調も空気感も豊かにパアーッと広がるのが、いつ聞いても不思議。<あんどー(いい男)>さんのように家から半径50Mを越えない方でも、時空間の旅ができる、というわけですね。
さらに本シリーズは各巻頭グラビアに掲載された「落語ノート」がお宝。落語には無論テキストはなく、口承での相対稽古が基本ですから、お稽古の後、記憶をたどり補強しながら記されたのでしょう。時に朱が入っていたり、身振り(首の向きを直す等)まで書き込まれたノートを見ると、世の中に苦労のない天才はいないと思い知ります。2021年、”いい男”(キレッキレッ無限)を目指し、あやかってみてください。
<あんどー(いい男)>さんからエディストの皆さんへの伝言は:
……運勢:笑吉
(本書からのお言葉)
「まーあ本当に旦那の声というものは…なんてんでしょうねえ。まあ、他所(わき)じゃあ聴かれませんですよ。ええ、なんとも言えない不思議な声で」(「寝床」より)
☆ 彡 ☆ 彡 ☆ 彡 ☆ 彡 ☆ 彡
大音美弥子
編集的先達:パティ・スミス 「千夜千冊エディション」の校正から書店での棚づくり、読書会やワークショップまで、本シリーズの川上から川下までを一挙にになう千夜千冊エディション研究家。かつては伝説の書店「松丸本舗」の名物ブックショップエディター。読書の匠として松岡正剛から「冊匠」と呼ばれ、イシス編集学校の読書講座「多読ジム」を牽引する。遊刊エディストでは、ほぼ日刊のブックガイド「読めば、MIYAKO」、お悩み事に本で答える「千悩千冊」など連載中。
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コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。