「記録された事実」と「個人にとっての真実」って違う?SF界の星テッド・チャン『息吹』が描く、記憶に検索エンジンをインストールする未来。どう思う?

2025/06/12(木)06:00
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  1. ほんのれんラジオの最新エピソードが公開されました!

イシス編集学校で世界読書奥義伝[離]まで了えた4名(ニレヨーコ、おじー、はるにゃ、ウメコ)がお送りするほんのれんラジオ。

 

ほんのれんvol.27は、 “「正しさ」ってどこまで正しい?間違えられない社会を超えて”。シリーズ3本目のエピソードです。

 

「記録された事実」と「個人にとっての真実」って違う?SF界の星テッド・チャン『息吹』が描く、記憶に検索エンジンをインストールする未来。どう思う?

 

▼お品書き


「記憶違い」してたことある?/はるにゃ家の「お茶碗事件」/自分は誤らないという思い込み/ついにきましたテッド・チャン『息吹』/因縁ありの本/「物語」をどう読むか/「世界設定」自体がもつ意味/「偽りのない事実、偽りのない気持ち」/ここから先ネタバレ注意!/ライフログをとる近未来/未来のプラットフォーマー「リメン」/無文字社会に文字が侵入/書いてあること=正確なこと?/事実と気持ちの対立/「記録すること」をめぐるジレンマ/ファクトより、感情が大事?/「真実」を表す二つの言葉/「正しい」ことと「正確なこと」/正確じゃないけど、嘘でもないとき/記憶は変わりゆくもの/忘れることが許されなくなる/「ライフログ」欲しい?/ニレヨーコの記憶蘇る/嫌な記憶が残り続けるってどう?/忘れたいことと忘れたくないこと/記憶の削除、意識的にできる?/「復讐したい」で残りやすい/完璧な記憶は物語になり得ない?/ファクトベースで見えなくなるもの/「正しいことの証明」じゃなく、「間違っていたことを認める」ために/技術の問題、モラルの問題/ファクトだけでいいなら、AIでいいじゃん?/テクノロジーでモラルが変わる

 

▼今月の旬感本

(1)『正義を振りかざす「極端な人」の正体』山口真一(著)光文社2020

(2)『MORAL一善悪と道徳の人類史』ハンノ・ザウアー(著)長谷川圭(訳)講談社2024

(3)『息吹』テッド・チャン(著)大森望(訳)早川晝房 2023

(4)「ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと』奥野克巳(著) 新潮社2023

(5)『訂正する力』東浩紀(著)朝日新聞出版2023

 

 

 

 

 

 

  • ほんのれん編集部

    編集工学研究所×丸善雄松堂が提供する一畳ライブラリー「ほんのれん」の選書やメディア制作を手掛けるメンバー。関西弁で跳ねるデザイン知カンガルー・仁禮洋子(ニレヨーコ)、小鳥の風貌ながら知的猛禽類な山本春奈(はるにゃ)、昭和レトロを愛する果敢なコンパイル亀・尾島可奈子(おじー)、2倍速で情報収集する雑読チーター・梅澤奈央(ウメコ)ほか。ほんのれんラジオは毎週水曜更新中。ほんのれん編集部公式noteにこれまでのアーカイブを蓄積してます。https://note.com/honnoren/

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。