何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

東京は急に秋めいた。朝晩は肌寒いくらいだ。ちょっと温もりがほしいとき、お茶やカフェオレ、ホットワインで温まるのもいいが「先達文庫」もオススメだ。
55[守]師範代に贈られた先達文庫は計18冊。感門之盟で手渡されるこれら本の贈り物は、4か月の編集稽古を全うした師範代への労いであり、さらなるターゲットへの誘いでもある。指導陣と学林局が師範代ひとりひとりのエディティング・キャラクターを感じながらこれぞという1冊を選書している。しかし師範代だけのものにしておくのはもったいない。秋の心ときめく交際相手として、みなさんも先達文庫とのお付き合いを!
本を読むことは難しくはない。好きに読めばいい。ブックウェアに遊ぶことも誰でも愉しめる。本は付き合っているだけで、心がときめくものなのだ。しかし、本気で本を読むには、文字の奥にうごめくものと出会うべきである。そうすると「見えるようになった声」や「耳に響いていた意味」や「時代に置き忘れてきた語り」に交じり合える。
松岡正剛最新刊『百書繚乱』
石塚智美師範代 たまさかドリトル教室
『きもの365日』群ようこ/集英社文庫
菅井明子師範代 ゴリ夢中教室
『円 劉慈欣短篇集』劉慈欣(リウ・ツーシン)/ハヤカワ文庫
畑本浩伸師範代 つきもの三昧教室
『暗黒のメルヘン』澁澤 龍彦/河出文庫
田中志穂師範代 山派レオモード教室
『遠い山なみの光』カズオ・イシグロ/ハヤカワepi文庫
稲森久純師範代 マグロワンダフル教室
『愉しい学問』フリードリヒ・ニーチェ/講談社学術文庫
加藤万季師範代 インプロ宝珠教室
『エジプト神イシスとオシリスの伝説について』プルタルコス/岩波文庫
石田利枝子師範代 斜線オテンバ教室
『精選女性随筆集 白洲正子』白洲正子/小池真理子選 文春文庫
長池直之師範代 連環フィリア教室
『あなたが子どもだったころ』河合隼雄 中公文庫
加藤則江師範代 カエル・スイッチ教室
『日本仏教再入門』末木文美士編 講談社文庫
藤井一史師範代 うたしろ律走教室
『ほんものの魔法使』ポール・ギャリコ 創元推理文庫
田中優子師範代 酒上夕魚斎教室
『古典の継承者たち』L.D. レノルズ ちくま文庫
辻志穂師範代 ヤキノリ微塵教室
『誰かに話したくなる キノコの不思議な世界』大海淳 ビジュアルだいわ文庫
佐藤賢師範代 抜力一の糸教室
『三島由紀夫レター教室』三島由紀夫 ちくま文庫
三國紹恵師範代 花相コロニー教室
『中動態の世界 意志と責任の考古学』國分功一郎 新潮文庫
渋江徹師範代 かけはしヒコーキ教室
『哲学入門』佐藤優 角川ソフィア文庫
田中志歩師範代 異遊トラベルソ教室
『台湾生まれ 日本語育ち』温又柔 白水Uブックス
松山香織師範代 類想ゼスト教室
『挑発する少女小説』斉藤美奈子 河出文庫
山下雅弘師範代 百禁タイムズ教室
『負け組のメディア史 天下無敵 野依秀市伝』佐藤卓己/岩波現代文庫
先達文庫には田中優子学長と鈴木康代学匠の手書きメッセージも添えられている
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
【参加者募集】56[守]にも間に合う!10/12(日)本楼エディットツアー
アタマが固い、鈍い、動かない。もうAIには敵わない…と諦める前に、「編集術」を試してみませんか。 10/12(日)14時からの「本楼エディットツアー」では、松岡正剛の編集術を使ったいくつかの編集ワークを体験いただきます。 […]
【田中優子の「酒上夕書斎」】はご存じだろうか?5月に優子学長がはじめた読書系YouTube LIVEで、毎月とっておきの1冊を紹介している。だがオープニングが独特。「まずはひと口飲みますね」と言って赤ワインをゴクリ。本よ […]
10匹の出世魚、ただいま誕生!55[破]出世魚教室名発表【89感門】
イシスの魚はマグロだけじゃない。カワル、メトード、ほたほた・・・ふしぎな魚が泳いでいる。 [守]師範代から[破]師範代へかわるとき、EDITされる教室名を”出世魚”という。55[破]に遊撃する10匹の出世魚 […]
【参加者募集】とっておきのお茶×読書×編集体験!9/13「本楼共茶会」コールドブリューベリーモヒート茶篇
9月13日(土)、松岡正剛プロデュースのブックサロンスペース「本楼」にて、お茶×読書×編集で参加者のみなさまを意外な世界へお連れする「本楼共茶会」(ほんろうともちゃかい)を開催します。7度目となる今回は「コールドブリュー […]
本楼の躙り口近くに松岡正剛校長の提灯が下がっている。チェ・ゲバラを擬いたものだ。ゲリラは毎日が未知の連続。何が起こるか分からない。だからこそ「常に編集を起こしている」存在とも言える。松岡校長が20世紀最後に記した千夜千冊 […]
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。