1910年のビッグネーム [遊]物語講座

2019/10/30(水)19:10
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 [遊]物語講座では、2か月目に「編伝」に取り組む。ワールドモデルは1910年。興の動いた歴象トピックスを取り上げ、史実を元にストーリーを組み上げていく。

 

 十一綴までの編伝作品で、110人を超えるキャラクターの面影が12000字の物語に彫琢されてきた。だが、まだまだ取り上げられていない大物が多く控えている。

 

 セオドア・ルーズベルト
 ベニート・ムッソリーニ
 ニコライ二世
 ユーゴ・ユンカース
 グレン・カーチス
 バートランド・ラッセル
 アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド
 ヨーゼフ・シュンペーター
 アメデオ・モディリアーニ
 アンリ・ルソー
 マン・レイ
 朝倉文夫
 ジョン・ゴールズワージー
 ギヨーム・アポリネール
 レフ・トルストイ
 泉鏡花
 島崎藤村
 若山牧水
 長塚節
 堺利彦

 

 ……まだまだ居る。


 夏目漱石は1910年、修善寺で吐血し、危篤状態に陥っていた。芥川龍之介は18歳。成績優秀で、無試験で一高の文科に入学。同級生には菊池寛らがいた。プルーストは39歳で、パリのオスマン大通りに住んでいた。ジャン・コクトーと知り合い、オペラ座でバレエ・リュスのパリ公演を見ながら、少しずつ『失われた時を求めて』の草稿を書き溜めていた。

 

 編伝は、歴史を俯瞰し、そのただなかへ入っていける格別の方法だ。「情報は、ひとりでいられない」。手つかずの大物たちが挑戦者を待っている。

  • 松井 路代

    編集的先達:中島敦。2007年生の長男と独自のホームエデュケーション。オペラ好きの夫、小学生の娘と奈良在住の主婦。離では典離、物語講座では冠綴賞というイシスの二冠王。野望は子ども編集学校と小説家デビュー。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。