何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

イシス編集学校20周年記念輪読座は第1弾「世阿弥を読む」に続き、第2弾となる輪読座「白川静を読む」が10月25日(日)に開講する。「古」そのものに学ぶという、現代につながる世阿弥の稽古哲学の後は、漢字をたどって日本の起源の奥の奥を紐解いていこうというのだ。
数か月前、「次は何にしようかね~」と輪読師・高橋秀元(通称、バジラ高橋)の発声に、輪頭(輪読座では林頭ではなく輪頭)の吉村堅樹が応じ、満を持しての「白川静を読む」の開莚(かいえん)が決まった。
かつてイシス編集学校には「白川静ブーム」があったという。
時は2008年、松岡正剛校長の著書『白川静 漢字の世界観』が出版された頃だ。
「あの頃は、『字統』『字訓』『字通』を持っていて当たり前のような空気もあったんですよ」と吉村輪頭。編集術を学ぶ者たちは、字典や白川著書を手にして、それぞれの漢字や白川静の読みを持っていたのだ。
その中でも人一倍強い白川静への読みや想いを持っているのが、バジラ高橋だ。
バジラ高橋は、『遊 1003号』で白川静のインタビュー記事を任され、白川静本人にインタビューをしていた。
紆余曲折の末に出来上がった「漢字の記憶」インタビューや、白川静のどん欲なまでのこだわりをバジラ高橋は「イシス 20 周年記念 豪徳寺輪読座『白川静を読む』のご案内」にまとめている。
PDF10枚になった案内をご覧いただくだけでも、バジラ高橋の白川静の読みを感じていただけるだろう。
しかし、今回の輪読座は特別仕立て。
白川静と親しく交流をしていたバジラ高橋自らが、単著になっていないテキストのみを取り上げる。全集やインタビューから再構成、再編集したテキストをもとに新たに白川静の世界を再構成していくのだ。
なぜ、白川静は漢字学にこれほどの執念を燃やし続けたのか。それは単に学者だからとか、好きだからということではない。
現代にこそ持ち出されるべき白川漢字学に今こそ触れていただきたい。
輪読座「白川静を読む」詳しくはこちらから。
衣笠純子
編集的先達:モーリス・ラヴェル。劇団四季元団員で何を歌ってもミュージカルになる特技の持ち主。折れない編集メンタルと無尽蔵の編集体力、編集工学への使命感の三位一体を備える。オリエンタルな魅力で、なぜかイタリア人に愛される、らしい。
夜の深まりに、ひそやかに浮かぶ月。 その光は、松岡正剛が歩んだ「数寄三昧」の余韻を照らし出します。 音とことばに編まれた記憶を、今宵ふたたび呼び覚ますために―― 玄月音夜會、第五夜をひらきます。 夏から秋へ […]
ひとつの音が、夜の深みに沈んでいく。 その余韻を追いかけるように、もうひとつの声が寄り添う。 松岡正剛が愛した「数寄三昧」を偲び、縁ある音楽家を招いてひらく「玄月音夜會」。 第四夜の客人は、邦楽家・西松布咏さんです。 […]
幼な心とワインのマリアージュ ― 酒上夕書斎 第四夕|8月26日(火)16:30~ YouTube LIVE
本を開くたび、知らない景色がひらけていきます。 ときに旅のように遠く、ときに親しい声に導かれるように――。 読書はいつも、新しい道へと私たちを誘います。 「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい)」では、石川淳をひもとき、 […]
江戸の編集、蔦重の秘密──田中優子学長「ちえなみき」特別講演映像を公開
江戸の本屋が仕掛けた文化の渦が、いま開かれた。 7月26日、福井県敦賀市の「ちえなみき」で行われた田中優子学長の特別講演には、50名を超える人々が集まりました。 今年の大河ドラマ『べらぼう』の主人公・蔦屋重三郎を軸に、浮 […]
松岡正剛一周忌──音楽と言葉が交差する一夜へ|玄月音夜會 第三夜 オンライン参加受付中
ひとつき、またひとつきと、季節がめぐり── 編集工学者・イシス編集学校校長・松岡正剛がこの世を去って、まもなく一年。 それでも、耳をすませば、どこかで語りかけてくるような声がある。 ことばの向こう、音の奥、ページの余白か […]
コメント
1~3件/3件
2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。