【申込開始】社会学者・大澤真幸氏の公開講義開催! 世界にコミットするために必要な「編集工学」とは

2023/06/08(木)08:01
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秋葉原にトラックが突っ込んだのは、15年まえのちょうど今日だった。2021年にも、ジョーカーに扮した男が京王線内で乗客を切りつけた。目立つようになった無差別襲撃事件。一部の狂ったサイコパスがこのような凶行に及んでいるのだろうか。犯罪心理学者の見解は違う。背景には、人々の抱える「社会からの疎外感」があると分析している。

 

社会学者・大澤真幸氏は「『自分がこの世界にコミットしている』という感覚を得られていない人が多いのでは」と語る。どうにも自分は世界から疎外されている気がする。でも、世界に関わりたい。方法がわからない。大量殺戮は、世界にコミットするための切なる足掻きだったのかもしれないのだ。

 

キミとボクの関係が、すなわちセカイの命運となってしまう「セカイ系」作品。これらが流行るのも、世界に対するデタッチメント感を多くの人がもっているからではないか、と大澤氏は分析する。コミットメントしたいのにできないか。その代償行為としてファンタジーの世界に入り込むのである。

 

大澤氏はだからこそ、編集工学が必要だと熱を入れる。「世界をどうつかむかということを教えてくれるのが編集工学」。「松岡正剛には『世界』が見えている」。

 

イシス編集学校では、2022年下半期から各界の著名人による公開講義を開催している。第1回のゲストは法政大学元総長の田中優子氏。つづく第2回となるのが、社会学者・大澤真幸氏をゲストに迎えた「大澤真幸の編集宣言」である。7月2日(日)14時〜17時、東京・豪徳寺の「本楼」で開催され、オンライン配信される。

 

この特別講義では、イシス編集学校校長・松岡正剛と30年以上の親交のある大澤氏から見た編集工学の意義についてレクチャーされる。デタッチメントからコミットメントへむかう、その方法のひとつとして「編集」をどう活かすのか。編集工学の可能性とはどこにあるのか。さらに、千夜千冊エディション『編集力』に収録されたバルトやフーコー、ヴィトゲンシュタイン、ポランニーなどの西洋知へあらたな見方も紹介されるかもしれない。


先日、豪徳寺にて行われた打ち合わせのさい、大澤氏は、世界にコミットメントする方法のひとつを提示した。それが「死者の声に耳を傾ける」というものである。「歴史上の人物のなかで、その思いを自分が引き受けられる人はいますか。いるならば、それはなぜですか」。どうして死者の声が、私を世界につなぎとめるのか。時空を超えた世界との関わり方が、特別講義にて明かされる。

 


■イシス編集学校第51期[守]特別講義「大澤真幸の編集宣言」


●日時:2023年7月2日(日)14:00~17:00
●ご参加方法:zoom開催。お申し込みの方にzoom URLをご案内します。
●ご参加費:3,500円(税別)
●対象者:未入門の方もご参加いただけます。51[守]受講中の方は教室にてお申し込みください。記録動画は1週間限定で共有されますので、当日ご都合がつかなくてもご参加いただけます。

 

●お申し込み:https://shop.eel.co.jp/products/detail/566

 


■大澤真幸×編集工学 をもっと知るなら

 

【多読SP読了式】大澤真幸×松岡正剛対談(1)西洋と東洋とイスラームの歴史をつなげて語れる人(2022/01/08公開)

【多読SP読了式】大澤真幸×松岡正剛対談(2)二人の読書術(2022/01/09公開)

書くとは全部を出す覚悟 多読SP「大澤真幸を読む」読了式 10shot(2021/12/30公開)

『情歴21』を読む 第二弾ゲスト決定! 大澤真幸篇【ISIS FESTA SP】(2022/03/04公開)

ロシアはヨーロッパなのか 大澤真幸氏の語る「情歴」の読み方とは【イベントレポ】(2022/04/01公開)

 

 

 

  • 梅澤奈央

    編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
    イシス編集学校メルマガ「編集ウメ子」配信中。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。