何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

この人がマイクを持つと、ぱっと場に光がさす。この人が壇上に立つと、ふわっと軽やかな風が吹く。第83回感門之盟「EDIT TIDE」DAY1、第52期[守]基本コースの卒門式に先立ってメッセージを贈ったのは、荒波のなか10年以上にわたり[守]の舵取りをし続けてきた学匠・鈴木康代だ。
52[守]が開講したのは2023年10月30日。その1カ月ほど前、校長松岡正剛は千夜千冊1830夜『セクシーな数学』グレゴリー・J・チャインティンでこう綴っている。
最近のラグビーではアンストラクチュラルなプレーが注目されていますね。積み重ねられてきたゲームセオリー(セットプレー)にもとづいた攻守ではなく、あえて非構造的なプレーを展開して、次のトライシーンの可能性に結びつけていこうというものです。
「アンストラクチャー(非構造)」にこそ創発の可能性がある。ならば「不足、異質なもの、想定外を52[守]はどんどん取り込んでいこう」と指導陣は決めた。その後どうなったのか。
▲いきいきとした表情で話はじめる康代学匠
オンライン上に浮かぶ18の教室では、2日に1度、師範代からお題が飛んでくる。ある教室では「若輩者ですがよろしくお願いします」と大学生の学衆が自己紹介をすると、おなじ教室の仲間に小学2年生の学衆がいた。別の教室では、20個の回答をすればいいお題で、30も40もプラスアルファの回答を出し続けて師範代を驚かせた学衆がいた。どの教室にも「異質」や「想定外」が満ち溢れた。
教室の外に目を向けると、怒濤の編集を繰り出す松岡校長の姿があった。52[守]の開講直前には『知の編集工学』新装版(朝日文庫)や『初めて語られた科学と生命と言語の秘密』(文春新書)が発刊され、千夜千冊は今朝第1845夜が公開された。近江ARSプロジェクトでは仏教者も度肝を抜かれるほどの見方を提示し続け、宇川直弘さん・武邑光裕さん@Dommune、ヤマザキマリさん@NHKラジオ、落合陽一さん@Weekly Ochiaiと対談も連打。こうした校長の編集が、また教室に刺激を与える。3月11日に松岡校長のインタビュー連載が朝日新聞ではじまるや、毎日記事に目を通して感想をしたため、教室の仲間に共有している学衆がいる。
「イシスの外も速ければ、教室のなかも速い。ウチとソトの行き来も速くて、アンストラクチャーな52[守]になっていた」と康代学匠は振り返り、その速さの肝を「編集稽古」だと断言。
日常とは違う、イシス編集学校という場で編集稽古をしているからこその速さ。その速さを落とすことなく、進んでいきましょう。
52[守]から漕ぎ出した船は、さらなる洋上の冒険へ。康代学匠の言葉は、その追い風になるはずだ。
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
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2025-10-02
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