【83感門】物語という方法で世界を読む ─績了式 綴師メッセージ─

2024/03/23(土)18:00
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第83回感門之盟「EDIT TIDE」3日目。[遊]物語講座十六綴の績了式が開催された。

 

2008年の開講当時より講座をひきいる赤羽卓美綴師は、「綴る(つづる)」という言葉を紐解きながら、物語という方法について語った。

 

 

物語講座そのものを綴るストーリーテラー赤羽卓美綴師。

 

赤羽綴師は「物語という方法には世界を変容させる力があるいっぽうで、恐ろしい側面もある」と語り、プラトンの国家論を例に、世の中を導くような編集力を持った存在が排除された歴史について触れた。

 

いまの世の中ををどう読むか。賞讃される物語もあれば、本質を捻じ曲げるような物語も動いている。わたしたちは世界というおおきな物語を「読む」ことができているのだろうか。

 

世界をつくろい修繕するのも、物語の力だといえる。物語講座は創作をしながら、世界の「読み方」「書き方」を更新し、読書におけるインプットとアウトプットの方法が磨かれる。

 

叢衆は創作という旅を経て、どのような世界読みを体験したか。それを披露しあう特別な場がひらいた。

 

績了の記念として、叢衆が綴った物語を一冊の本に編み上げた「綴墾巻」が一人ひとりに贈られる。

 

 

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(写真:福井千裕)

  • 阿部幸織

    編集的先達:細馬宏通。会社ではちゃんとしすぎと評される労働組合のリーダー。ネットワークを活かし組織のためのエディットツアー も師範として初開催。一方、小学校のころから漫画執筆に没頭し、今でもコマのカケアミを眺めたり、感門のメッセージでは鈴を鳴らしてみたり、不思議な一面もある。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。