何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

言いたいことがある。表現したいことがある。でもその方法に自信がない。だからイシスに方法を学びにきた。そういう入門者は多い。しかし編集稽古をしているうちに気づくことがある。そうではなかったと。
54[破]は10教室71名の学衆でスタートし、51名が突破。原田淳子学匠は「カマエが素晴らしかった」と師範代の教室運営や指南ぶりを称えた。ただしその称賛は、やる気や元気の充足といったポジティブさだけに因るのではない。
自分はどういうコンディションにあり、どの程度の時間が使え、どれほどの編集力があるのかを認識していることが「ベース」にある。こうありたいという「ターゲット」も描けている。だからこそベースとターゲットのあいだの「プロフィール」を一歩一歩進めていける。そういう在り様を「カマエがよい」と学匠は評価した。師範代だけではない。学衆の稽古ぶりにも目を見張るものがあったという。
「20世紀は主題の時代、21世紀は方法の時代」とは松岡正剛校長の言葉だ。「主題ではなく方法こそがコンテンツ。方法から意外な内容が生まれていくことを実感してほしい。」校長は繰り返しそう語っていた。編集稽古でいつその実感を得るかは人それぞれだが、54[破]がそのタイミングとなった学衆が何人もいた。なぜ実感できたのか。「型に沿って素直に稽古した」学衆が多かったと学匠は振り返る。型を信じることで思いもよらない発見が起こる。それこそが[破]の醍醐味だ。
いま世界では各地で戦争が起こり、独裁的な政治家も増えている。権力や強さがもてはやされているきらいもある。しかし[破]の稽古で学衆が気づいたことは権力や強さとは別ものだ。学匠はつぎの言葉でメッセージを締めくくった。
「方法をもってアプローチすれば、何もないところからでも編集を始められる。自分の編集力を信じて、分からないことがあれば方法を使ってみること。それが編集的自由につながる。世界が編集を終えようとしている今だからこそ、イシスの仲間としてこれからも編集を続けてほしい」
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
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2025-10-02
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