交感なパイディア パイディアな交換【82感門】

2023/09/17(日)16:16
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感門之盟Day2が開幕するほんの数時間前、50[破]柑橘パイディア教室の面々は本楼近くのある場所に集まった。突破式に先立って、教室の仲間でオススメ本の交換をしようというのだ。

 

 

 

 

 

感門之盟では師範代に先達文庫が贈られる。講座全体をとりまとめる学匠と校長の松岡によって選本され、師範代の「これまで」と「これから」を照らす本として贈られる。

 

「学衆のみんなにも本を贈りたい」「イシスらしい交換を」

 

そんな得原師範代の想いから、本の交換というセレモニーの場が設けられた。選本のテーマは「破」。ルールは表紙の裏の見返しや扉にメッセージを記すこと。先達文庫さながらに言葉が書き込まれたその本は、贈り手からの「編集的背景」のおすそ分けだ。得原師範代は、『遊 稲垣足穂・野尻抱影追悼号』を用意した。この選本の背景には、50[守]の感門之盟で校長から受け取った先達文庫『星の文人 野尻抱影伝』(石田五郎/中公文庫)がある。

 

それぞれに持ち寄った本を誰が受け取るか。手作りのくじ引きで決めていく。パイディアな交感は、それぞれの背景を持ち寄った編集モデルの交換となった。

 

 

得原師範代は突破式で学衆に向かってこう語った。「破の稽古の苦しさは、本当の世界を知ったことの証です」。身にまとったTシャツの背中には、『遊 稲垣足穂・野尻抱影追悼号』の表紙に添えられた言葉が埋め込まれていた。

「われらはいま、宇宙の散歩に出かけたところだ」

 

 

  • 阿部幸織

    編集的先達:細馬宏通。会社ではちゃんとしすぎと評される労働組合のリーダー。ネットワークを活かし組織のためのエディットツアー も師範として初開催。一方、小学校のころから漫画執筆に没頭し、今でもコマのカケアミを眺めたり、感門のメッセージでは鈴を鳴らしてみたり、不思議な一面もある。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。