何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

情報はいろんな「かたち」をとってわたしたちの周辺を動いている
『知の編集術』『知の編集工学』『インタースコア』などと共に、編集工学の入り口となる一冊に『わたしが情報について語るなら』がある。帯には「情報で世界が見える 編集が自分を変える」とある。
その「はじめに」にはこう綴られている。
情報はいろいろなコミュニケーションのための「かたち」をとるということがわかってきたと思います。そうなのです。情報はいろんな「かたち」をとってわたしたちの周辺を動いているんですね。
ー松岡正剛『わたしが情報について語るなら』(ポプラ社)より
情報を捉えるには「かたち」が欠かせない。
では、形と情報の関係はどのようなものだろうか?
「かたち」がないと情報の居場所がない
情報について知りたいなら千夜千冊エディションの『デザイン知』『情報生命』は必携だ。
松岡校長も「その両方をみてもらえればわかる」という。
今回の感門之盟のテーマは「Inform共読区」。このInformとはなんだろうか?
Informというと「かたち」に入るもの、などと訳しかねないがそうではない。
形がないと情報の居場所がないと考えた方がいい。「かたち」があるところに情報は入っていく。
守の最初のお題でも、コップにどれだけの情報が詰まっているか、思い出す方も多いのではないだろうか。
松岡校長は古詩の漢詩に「かたち」を感じ、「かたち」ごと取り出して書画にあらわした。
感じたことをあらわす際のちょっとした「かたち」を大切に
Informと共に並ぶ「共読区」は、2011年、東日本大震災翌月に開催された感門之盟のスローガンである。
震災後、津波や原発のメルトダウンが襲い、感門之盟でも黙祷をした。
日本の科学者の始まりと松岡校長が絶賛する寺田寅彦は「災害は忘れた頃にやってくる」と詠み、その弟子で雪の研究者の中谷宇吉郎は「雪は天からの手紙である」という。
つまり、私たちは遠くからやってくるものや、自分たちの中にひそむ遠いものとのであいもおこっているるし、おこるべきだろうと。
みんなで遠くからくるものや、近いものから湧き上がってくるものを共に読んでいこうじゃないか。
共読は読書に限らないが、やはり本の共読は格別だ。
本もコップも雪も回答も指南も、読み・感じ・あらわれる時のちょっとした「かたち」を大切に。
たくさんの「かたち」を共に読む感門は始まったばかりだ。
上杉公志
編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。
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コメント
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2025-10-02
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(市川春子『宝石の国』講談社)
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