何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

インボイス制度が始まった。国税庁のサイトによると次のような記載がある。
適格請求書(インボイス)を発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。
(出典:国税庁のインボイス公表サイト「特集インボイス制度」より)
この制度では「適格請求者」と「そうでない者」と二分している。白黒をはっきりとさせ、例外を一切排除している。制度の上であればこのようなシンプルな分類も可能だろう。
一方で、実際の社会や生活の中で、簡単に分類ができるシーンはそうそうない。むしろ複雑さに満ちていて簡単に割り切れないことばかりである。イシス編集学校は、そうしたカオス状態の中で情報を編集する方法を学ぶ。
同日、2023年10月1日の51[破]の伝習座で、八田英子律師が最初に師範代に問いかけたのは、容易にはとらえがたい「らしさ」の編集であった。
「松岡校長は、今月刊行の『知の編集工学』(朝日文庫)増補版で、ヴィーコについて大幅な加筆をしています。そこで強調しているのは、1ヴィーコが『新しい学』の中で、プラトン以降の“真偽”の議論ではなく、真らしさ、偽らしさという2つの“らしさ”を学問しなければならない、と言及していた部分です。」
「らしさ」に向かう方法の一つが、ハイパーな編集に向かうことである。常識や正解にとらわれず、従来の価値基準から抜け出したハイパーに注目を向ける。ある種、デモーニッシュな部分にこそ注目することである。
歴史を振り返ると、一芸に優れたハイパーな存在は、時としてモンスターとして恐れられてしまう。魔女裁判のように断罪の対象になることさえあった。
前回の感門之盟で、松岡校長は「今の日本はヤバイ。モンスターを扱う才能が失われている」と危惧を述べた。確かにハイパーなもの扱いにくい。リスクもある。それでもなお、注意のカーソルが向かうハイパーに編集学校で学ぶ方法を徹底して当てはめていくこと。これこそ「デモンストレーション」なのである。
「スーパーからハイパーへ。松岡校長が表象したハイパーな“出世魚教室名”に恥じない期にしていっていただきたい」と律師は締め括った。
「今日の服装のコンセプトは?」と尋ねると「服装まで気がまわせてないよ」とフランクに回答(白状?)する八田律師。そう言いながらも、白黒の上下にはこっそり深緑の差し色を潜ませており、衣装でも色彩で内なるデーモンを纏っていた。
上杉公志
編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。
「松岡校長のブックウェア空間を感じて欲しい」鈴木康代[守]学匠メッセージ【89感門】
読書することは編集すること 「読書」については、なかなか続けられない、習慣化が難しい、集中できずにSNSなどの気軽な情報に流されてしまう――そうした声が少なくない。 確かに読書の対象である「本 […]
「松岡正剛の方法にあやかる」とは?ーー55[守]師範陣が実践する「創守座」の場づくり
「ルール」とは一律の縛りではなく、多様な姿をもつものである。イシス編集学校の校長・松岡正剛は、ラグビーにおけるオフサイドの編集性を高く評価していた一方で、「臭いものに蓋」式の昨今のコンプライアンスのあり方を「つまらない」 […]
第87回感門之盟「感話集」(2025年3月29日)が終了した。これまでに公開された関連記事の総覧をお送りする。 【87感門】感話集 物語づくしのスペシャルな1日に(司会・鈴木花絵メッセージ) 文:今井早智 […]
「講座の中で最高に面白い」吉村林頭が語る「物語の力」とは【87感門】
イシス編集学校の校長・松岡正剛が、編集工学において、「方法日本」と並んで大切にしていた方法。その一つが「物語」であり、この物語の方法を存分に浴びることができる場が、イシス編集学校の[遊]物語講座である。 「 […]
色は匂へど 散りぬるを 〜Open Perspective〜 「い」 色は何色? わけてあつめて 虹となる [用法1]わける/あつめる 2025年3月15日、桃や梅が春の到来を告 […]
コメント
1~3件/3件
2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。