近大生が牙をむく しぶとい、しつこい粘りの学衆集まる【47[守]近大】

2021/04/27(火)10:33
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10秒以内に8人が「はい!」と応答。このスピードが選りすぐりの大学生である。
今期も奴らがやってきた。日本が誇る本の二大聖地といえば、東の角川、西の近大。松岡正剛が監修した本の劇場を擁する近畿大学から、20名の学生がイシス編集学校[守]コースへ乗り込んできた。


2019年春、42[守]から近大学衆を迎えて3年目。今期も開講日にあわせて、Zoom上で交流会を開催した。90分後、毎期「近大番」として学衆を見守る川野貴志(47[守]近大番)はつぶやいた。「今年はなにか違う」

それもそのはず。毎期熾烈を極める選考に際し、橋本英人(参丞)は「本気のヤツ求む」と焚きつけたのだ。提出された2つの事前課題を、橋本と衣笠純子(学林局)が精査。合格通知が届けられたのは、返信速度、言語密度、思考体力などあらゆる観点から点検し、4ヶ月間の編集稽古を全うできると見込まれた期待の新星だけだ。

 

「私は、アウトレットで売られているゴディバのチョコレートです」
「私は、パティシエが作る炊き込みご飯です」
「私は、穴あきの泥入りキャンディです」

2分の制限時間につぎつぎと回答される自己紹介。近大生3万人のなかの20名は、やはり視点が違う。ひとりの学生がすまし顔でタイピングする。
「私はハードなグミです。顎が疲れるくらいしぶといでしょう」
HARIBO級に噛みごたえのある近大学衆が、47[守]に喰らいつく。

 

  • 梅澤奈央

    編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
    イシス編集学校メルマガ「編集ウメ子」配信中。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。