プラン1:東北ミュージアム・エミシの暮らす千年の森【46[破]DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix】

2021/08/24(火)12:45
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46[破]DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix、『遊刊エディスト』誌上で予選を開催中。第77回感門之盟での本選出場をかけて、各教室から短期決戦の応援合戦だ。
さあ、あなたも心惹かれるプランに投票を!

 


プラン1:あたりめ乱射教室/東北ミュージアム・エミシの暮らす千年の森

  「まつろわぬ者」アテルイが生きた森で、東北の面影に出会う。


 

■「蝦夷」とはなにか

 

蝦夷とは、大和朝廷の時代、関東以北に住んでいた先住民族のことを指すが、いま東北に生きる人々にとって蝦夷とは何なのか、どのような存在か。これが本プランが考えようとしている大きな問いのひとつだ。

蝦夷はそもそも、西暦802年に征夷大将軍坂上田村麻呂の東北平定によって討伐されており、その名を聞いてもイメージに共通項はない。プランの発案者鹿澤倫子も「情報自体もとても少ない」と頭を抱えた。    


■ 「蝦夷」を仮説し、仮設する

 

アテルイを描いた小説『火怨』の著者高橋克彦も「アテルイの史実は正史を調べてもほんの三行程度しか残っていない」と述べる。それは抹殺されてゆく敗者の歴史だからだろうか。だが、そのわずか三行を含め様々な他の資料から、私たちは「蝦夷」を仮説し、仮設できる。それがこのミュージアムのアブダクティブな可能性でもあるのだ。


■ 書き換えられ、漂白された歴史

 

あたりめ乱射教室のブレストルームではこんな呟きがあがった。

 

「歴史は常に強者によって書き換えられ漂白されていますが、漂白すればするほど周りはより白くなり、消えずに残る「シミ」は余計に目立つように、消そうとしても決して消せないものが今もなお現在の文化の土台として残っている」

 

この「シミ」は民族の核であり「らしさ」といえるものだ。それは東北だけでなく、日本や来場者が住む地域にもあり得るものなのではないか、「蝦夷」とは「民族」とはなにか、このミュージアムで思いを巡らせて欲しい。

 

 

企画案:46[破]あたりめ乱射教室学衆 鹿澤倫子
画像作成:同 学衆 義原星乃 同師範代 森本康裕

 


▼投票はこちら
読者投票あり!!46[破]「DAN ZEN ISIS P-1 Grand Prix」プランニング編集術アワード予選を開催
投票締め切り:2021年8月25日(水)24時


→ プラン1:あたりめ乱射教室/東北ミュージアム・エミシの暮らす千年の森


 

  • 天野陽子

    編集的先達:寺山修司。公共図書館長にして短歌会の歌人。師範代から即破師範へ。初師範時には別院でうたよび企画を展開した。言葉のアンテナを立て、日夜若者言葉からの新たなオノマトペの収集に勤しむ天然詩人でもある。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。