黄昏に溶けゆく面影座 近大1日目配信終了!

2020/09/20(日)19:02
img JUSTedit

会えないもどかしさと、胸までせりあがった思い。切なさという情報は、オンラインで磨かれる。

近大で卒門式を終えた、4人の師範代、そして師範、番匠。それぞれに去来する4ヵ月のおもかげがあった。

 

割れそうなほど繊細で狂おしい思いを、カメラで受け止め、マイクで抱きしめ、画面のむこうにいるあの人に届ける。オンライン配信を担うということは、思い人どうしのあいだをとりもつキューピットになるということだった。

 

卒門式が終わり、ビブリオシアターに自然と拍手のさざなみが立つ。それは45[守]卒門のお祝いと、そして中継を成功させた配信チーム・面影座へのねぎらいであった。すべての機材を積み込んだ2台の車は、夕焼けのなか去ってゆく。交感の余韻だけを残し、面影座は黄昏に溶けていった。

 

 

  • 梅澤奈央

    編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
    イシス編集学校メルマガ「編集ウメ子」配信中。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。