プロット・マインドで「罠」 12綴開講メッセージ

2019/10/14(月)17:13
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 2019年10月7日(月)、[遊]物語講座12綴が開講した。今年度は、白鯨大地文叢、ニルス吉里吉里文叢、百日紅ギャツビー文叢の3文叢、19名の叢衆での幕開けとなった。

 「国王が亡くなった、そして王妃が哀しみのあまり亡くなった」。プロットとは、一つの出来事ともう一つの出来事の間の因果関係を抜き出したもの。そこにあるクサビの色と形が物語の充実を左右する。プロットは「語り」を内蔵している。だからこそ、「罠」という意味合いもある。


 「綴師や師範代が上手に罠をかけてくれるでしょう」。松岡正剛校長は開講メッセージで、プロット・マインドで講座を存分に歓しむよう背中を押した。


 稽古期間は4か月。『白鯨』『大地』『ニルスのふしぎな旅』『吉里吉里人』『百日紅』『グレート・ギャッツビー』。文豪たちに肖って、5つの物語編集に挑む。

  • 松井 路代

    編集的先達:中島敦。2007年生の長男と独自のホームエデュケーション。オペラ好きの夫、小学生の娘と奈良在住の主婦。離では典離、物語講座では冠綴賞というイシスの二冠王。野望は子ども編集学校と小説家デビュー。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。