何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

スニーカーならエアマックス。NBAはエアジョーダン。ダイノジはエアギター。そしてイシスにはエアサックスと呼ばれる男がいる。
感門之盟で音楽を学ぶ卒門学衆としてフィーチャーされたものの、サックスの演奏が未熟だったため、校長から吹かないで持ってるだけにしてとディレクションされたことから、「エアサックス」の愛称がついた。49[破]学衆・ヤマネコでいく教室、加藤陽康。これは3度目の正直ならぬ3度目の突破にかける若者の4ヶ月に渡る編集稽古のドキュメントである。
窓の外アマン 街はたそがれゆく
二人には時間がとまるイシス
石原裕次郎ばりにブラインドを下げて、外を覗き見るエアサックス加藤。果たして彼には、突破の先が見えたのか。前回、暗黒面から立ち直り、見事?物語AT賞のエントリーを果たした。晴々とした顔で豪徳寺に現れたエアサックスは、開口一番、もうプランニング始めてます!と得意げである。安田晶子師範代に導かれ、コースの力を信じ、締め切りに間に合わせたことが、加藤に自信を纏わせたのかもしれない。
いよいよ、[破]最後のプログラムになるのが、プランニング編集術である。ハイパー・ミュージアムを構想する。ベースとなる千夜千冊の三夜、エアサックス加藤が選んだのは、1769夜デヴィッド・ルイス=ウィリアムズ『洞窟のなかの心』、1657夜デービス・ベアード『物のかたちをした知識』、そして850夜の蕪村全句集である。
ミュージアムとしてはアイテムをリストのアイテムから洞窟壁画に仮に設定し、それを総覧することで交際知とその影に分け入っていきたい。また洞窟壁画は世界と人間のあいだの認知モデルをつくった。今回想定するハイパーミュージアムによって私たちが求めたいのは世界と人間とのあいだの新しい認知モデルだ、とする。影の中の交際というフレーズから愛の巣を連想し、窓に注意のカーソルが向かった。窓のミュージアムは面白そう。窓を打つ雨、窓の曇り、窓とカーテン、窓と借景、窓とPC、窓と乗り物、窓の開閉、窓と覗き魔…。
編集天狗と対話するうちに次々に窓のシソーラスが広がっていくエアサックス加藤の窓ノート。編集の型を使って情報を引き出していることがメモの随所から伝わってくる。
缶詰稽古に味をしめた加藤は、このあと立て続けに回答をアップした。プランニングいけます! 言葉が力強い。目指すはP1グランプリ出場である。いやもちろん、その前に突破である。突破締め切りは2/12。エアサックス加藤はこのまま順調に突破ロードを走破できるのか。次回、エアサックス、ハイパー苦闘編にご期待ください。
【エアサックス加藤の三度目の突破】バックナンバー
■【エアサックス加藤の三度目の突破10】窓からミュージアムが見える?
■【エアサックス加藤の三度目の突破09】ダース・カトウの再生はなったのか?
■【エアサックス加藤の三度目の突破08】嗚呼!エアサックス母子応援団
■【エアサックス加藤の三度目の突破07】波乗りエアサックスの慢心を諫める
■【エアサックス加藤の三度目の突破06】たくさんの天狗とたくさんのわたし
■【エアサックス加藤の三度目の突破05】歴史的快挙そして新たなる野望(本記事)
■【エアサックス加藤の三度目の突破04】守の型を使い尽くすべし
■【エアサックス加藤の三度目の突破03】心がわりの相手は君に決めた!
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。