師範代ウォッチング 豪徳寺風土記

2019/08/20(火)15:39
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 小田急線豪徳寺駅のプラットフォームから、地階にむかう。長いエスカレーターの先にはトイレがある。師範代は、髪やメイクの具合を鏡で確認する。

 

 頭の中で想念が渦巻く。改札口を抜ける。山下商店街のベーカリーuneclef前の行列が目に入る。同期師範代と目が合う。言葉を交わしながら松原六丁目の交差点を左折する。

 

 一歩一歩、間近に編集工学研究所の白い建物が迫るなか、多くの伝習座出席者は、なぜか左手のセブンイレブンに立ち寄り、飲料を購入する。本楼に行けば、コーヒーやお茶がふるまわれることを知っているのにもかかわらず。

 

 伝習座が終わる。師範代はバラバラに編集工学研究所を後にする。終電間近なので、山下商店街を足早に通り過ぎる。豪徳寺駅の長いエスカレーターを上ると、プラットフォームで見知ったメンバーが談笑をしている。新宿行きの電車に乗り込む。ひっそりとした豪徳寺駅プラットフォームに想念が漂う。

  • 井ノ上シーザー

    編集的先達:グレゴリー・ベイトソン。湿度120%のDUSTライター。どんな些細なネタも、シーザーの熱視線で下世話なゴシップに仕立て上げる力量の持主。イシスの異端者もいまや未知奥連若頭、守番匠を担う。

コメント

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堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。