師範・奥本英宏のズバリ察知力

2019/10/25(金)10:50
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 2018年4月、バンコク在住の井ノ上裕二師範代(当時)の一時帰国時に「38守熱線シーザー教室」同窓会が開催された。場所は、都内某ビル2Fのイタリア料理店だ。予約をした奥本英宏師範(当時)には、ある懸念があった。

 

 当日、井ノ上は時間通りにレストラン前に到着した。着くや否や、看板の「トマトスパゲッティ」を「まぐろ丼」と見間違える。それを日本料理店と判断してきびすを返し、ビルの2Fを走り回った。当然、目的地は見つからない。


 エスカレーターで3Fへ駆けあがり、白タイルで囲まれた扉を「イタリアレストラン」と感知するが、転がりこんだ先はトイレであった。「やはり2Fのはずだ」と思い直すが、今度はエスカレーターが見つからない。あきらめた井ノ上は喫煙ルームで一服を始めた。


 同時刻、奥本は「あいつ、リアルには弱いからなぁ」と衣笠純子、中村晃子(当時「熱線シーザー教室」学衆、現師範代)に打ち明けていた。奥本の予感はズバリ的中していた。

  • 井ノ上シーザー

    編集的先達:グレゴリー・ベイトソン。湿度120%のDUSTライター。どんな些細なネタも、シーザーの熱視線で下世話なゴシップに仕立て上げる力量の持主。イシスの異端者もいまや未知奥連若頭、守番匠を担う。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。