何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

ひとつ、「雲」という字は元々は「云」と書き、これは雲気たなびく下に、竜のくるっと巻いたしっぽが見えている形である。大昔、人々は雲の中に「竜」がいると考えていた。
来場者10万人を突破した福井県敦賀市「ちえなみき」で、「一文字の中のものがたり」をテーマに、ワークショップを開催した。ゲストは画工の金子都美絵さん。
福井県は白川静の出身地であり、金子さんは生涯のテーマとする白川静の漢字の世界を2000枚以上イラストにしてきた。松岡校長とも親しい(平凡社ライブラリーで2022年刊行・松岡正剛『白川静―漢字の世界観』の記事にも金子さんが登場された)
金子さんが用意したのは、「雲」「念」「究」「集」「進」「思」「想」という7つの漢字。そして、漢字にひそむ、それぞれの文字のものがたりである。
ふたつ、「念」という字の「今」は栓のついているふたの形で、「心」は心臓の形。ふたをして中のものを閉じ込めるように、心中に深くかくす、心中に深く思うことを「念」といった。
何千年にもわたって一文字の中に紡がれてきた物語が立ち上がり、それを見て聞いた参加者は、湧きあがったイメージや連想を組み合わせ、1冊の折本に仕上げた。(詳細の様子はEELサイトの記事から)
漢字カタカナひらがな混じりで、読み書き写されきた日本語の方法を、現代に持ち出だすための3つのヒントが、先日のAIDAシーズン3第4講で松岡座長から投げかけられた。ちえなみきでは、日本語としるしと本のあいだをつなぐワークショップやセッションが今後も行われる予定だ。
[編工研界隈の動向を届ける橋本参丞のEEL便]
//つづく//
橋本英人
函館の漁師の子どもとは思えない甘いマスクの持ち主。師範代時代の教室名「天然ドリーム」は橋本のタフな天然さとチャーミングな鈍感力を象徴している。編集工学研究所主任研究員。イシス編集学校参丞。
かつて校長は、「”始末”とは、終わりのことですが、エンディングとビギニングは一緒だということ。歌舞伎役者が最後に舞いたい踊りは、自分を目覚めさせる踊りかもしれないわけで、終わりのメッセージとは、何か始まりを感じさせるもの […]
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2025-10-02
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作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
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2025-09-24
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