何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

地質年代では、氷期がおわり、温暖化が進んで農耕がはじまった約1万年前から現在にいたるまでを「完新世」とよぶ。ヒト(ホモ・サピエンス・サピエンス)が一挙に繁栄した。
『フラット化する社会』の著者トーマス・フリードマンは、近著『遅刻してくれて、ありがとう』で、加速する時代において「雇用の完新世」がおわったと述べた。先進国には高給なミドルクラスの仕事が潤沢にあり、一方でブルーカラーは工場で真面目にものづくりをし、組合に守られて家族を養う、という”地層”はすでに過去のものになりつつある。
いまや変化のはげしい「雇用の人新世」に突入し、雇用を維持するためには、「3つのR(読み、書き、算数)」だけでなく、「4つのCスキル」が必須になるとフリードマンは言う。それは創造性(Creativity)、共同作業(Collaboration)、共同体(Community)、プログラミング(Coding)で、すべてのワーカーは「生涯教育」によってリスキリングしてスキルを高めつづけなければならないとする。
本当だろうか?そんなことが可能だろうか?4Cを支え人や場をつなぐ編集力が重要なのでは?という問いが生まれるが、日本でも、終身雇用・年功序列の日本型組織が過日のあり様となり、ジョブ型雇用が取り入れられ、リスキリング市場が拡張していくだろう。いずれにせよ、働くことや働く環境の、本来と将来や意味が問われている。
「ほんのれん」が、ワクワクする未来をヨコクする「2023 KOKUYO FAIR」のリアル会場に出展することになった。サービスリリース前のため、これまで実験してきた本を活用したアナロジカルな対話の内容・成果をお披露目することになる。「人と人がつながる場へと進化するオフィス」に、書物をきっかけに見方や問いを編集する場が動きつづけることを提案する。「図書館総合展」にも出展する。こちらもリアルとオンラインのハイブリッド開催で、図書館関係者の方々からたくさんのヒントをいただく機会にしたい。
[編工研界隈の動向を届ける橋本参丞のEEL便]
//つづく//
橋本英人
函館の漁師の子どもとは思えない甘いマスクの持ち主。師範代時代の教室名「天然ドリーム」は橋本のタフな天然さとチャーミングな鈍感力を象徴している。編集工学研究所主任研究員。イシス編集学校参丞。
かつて校長は、「”始末”とは、終わりのことですが、エンディングとビギニングは一緒だということ。歌舞伎役者が最後に舞いたい踊りは、自分を目覚めさせる踊りかもしれないわけで、終わりのメッセージとは、何か始まりを感じさせるもの […]
「日本流(経営)の本質は、異質なものを編集する力だったはずだ。ーーー異質なデータを価値ある情報に編集する知恵がこれからの勝負となる。それをセマンティックプラットフォーマーと呼んでいる。」 一橋大学ビジネスス […]
【参丞EEL便#034】 職場から「おしゃべり」が失われている?
ブライアン・イーノは、1996年に「scenius(シーニアス)」という言葉をつくった。「scene + genius」。文化的および知的進歩の多くは、あるシーン(やリアルな場所)から、一種の集合的魔法をおこした多数の人 […]
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赤坂から、赤堤へ。 2012年12月、EELは6万冊の本と一緒に、赤坂から赤堤(最寄りが豪徳寺駅)へと引っ越しをした。知の移転を行った。 そこからちょうど10年、校長への献本や千夜本や、EELプロジェクト関 […]
コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。