何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

「ネーミングは、A×X・B×Y・・・のXとYをズラす、XとYで世界観をつくる、ということをとことん詰めたほうがいい」。
「今考えたい問い」と「今こそ読みたい本」をデリバリーする更新型一畳ライブラリーのサービス名を「ほんのれん」とした。本と対話の力で、<連>のような創造力とネットワークを組織の垣根をこえてつくりだすという方針を投影した。
毎月デリバリーする本は、時期の旬なテーマから選んだ5冊とし、導入時にデリバリーする本は、組織の理念に合わせることも可能な定番100冊とした。それぞれ「旬考本」と「百考本」と仮名称した。
松岡さんからは、冒頭のようなフィードバックをいただいた。「たとえば、『旬観本』と言い換えて『百考本』と並べてみるとどうか?『旬感本』もあるかもしれない」。言い換え、持ち替え、並び替えをおこして、そこに本来と将来をむすぶ意味を立ち上げる。特に、一種合成型をシリーズでネーミングする場合は、「掛けあわせるXやYやZの方が、意味を動かす超部分」となる。日々、編集稽古だ。
松岡さんにディレクションをいただく機会が、EELスタッフには、大小かなりある。ベイトソンの学習過程モデルさながら、別のメンバーやチームや場に差し入れたり、返されたりするディレクションからも学んでいる。お部屋に資料を持ち込んでお話しすることもある。コンコンとノックをし、失礼しますと声をかけてから、中へ入ると、執筆や赤入れや読書をされていることが多い。やおらお顔を上げられた間を読んで、本題から入ることもあれば、前日のイベントや講義の御礼をお伝えしてから課題を打ち明けることもある(最新千夜の話題から入るのは、むつかしい)。
EEL便では、松岡校長ディレクションも伝えていきます。
[編工研界隈の動向を届ける橋本参丞のEEL便]
//つづく//
橋本英人
函館の漁師の子どもとは思えない甘いマスクの持ち主。師範代時代の教室名「天然ドリーム」は橋本のタフな天然さとチャーミングな鈍感力を象徴している。編集工学研究所主任研究員。イシス編集学校参丞。
かつて校長は、「”始末”とは、終わりのことですが、エンディングとビギニングは一緒だということ。歌舞伎役者が最後に舞いたい踊りは、自分を目覚めさせる踊りかもしれないわけで、終わりのメッセージとは、何か始まりを感じさせるもの […]
「日本流(経営)の本質は、異質なものを編集する力だったはずだ。ーーー異質なデータを価値ある情報に編集する知恵がこれからの勝負となる。それをセマンティックプラットフォーマーと呼んでいる。」 一橋大学ビジネスス […]
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ブライアン・イーノは、1996年に「scenius(シーニアス)」という言葉をつくった。「scene + genius」。文化的および知的進歩の多くは、あるシーン(やリアルな場所)から、一種の集合的魔法をおこした多数の人 […]
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赤坂から、赤堤へ。 2012年12月、EELは6万冊の本と一緒に、赤坂から赤堤(最寄りが豪徳寺駅)へと引っ越しをした。知の移転を行った。 そこからちょうど10年、校長への献本や千夜本や、EELプロジェクト関 […]
コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。