イシスをDAN ZENにする7人【iGen002】中村麻人 数理モデルを脇差に 解析フェチの編集侍

2021/09/23(木)08:55
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■イシスをDAN ZENにする iGenセブン

 

松岡正剛をして「きっと次代のスターになるだろう」と言わしめたイシスiGen7人衆がいる。

その活躍は目覚ましく、師範講義遊刊エディストエディットツアーなど編集学校のあちこちで頭角を現し、新しいメディエーションの方法を築き始めている。そんなiGenとは一体何者なのか? 

 

青春時代をポケベルとプリクラとルーズソックスで過ごしたロスジェネ世代の、感門之盟タブロイド紙「Editor ship」編集長後藤由加里がiGenたちが日頃感じていることから、編集学校のこれからを訊いた。

遊刊エディスト紙上でも、7回に分けて特別転載してお届けする。

 

▲イシスのiGenは、千夜千冊1764夜『ホモ・デジタリスの時代』に登場した。

 

シリーズiGen、2人目はこの方。


iGen No.2 中村麻人(47[守]師範/35[花]錬成師範)

大学生師範代だった早熟の編集侍も今や[守]と[花]をつなぐ二刀流師範。[守]用法2を圏論で解読してしまう解析編集フェチ

 

生誕年:1992年

編集学校歴:
<学衆として>

30[守]無双ジェネシス教室(高英生師範代/鈴木亮太師範)

29[破]月代蔵前教室(阪本裕一師範代/川野貴志師範)

21[花]わかくさ道場(村井宏志師範)

11[離]傳当院(塩田克博別当師範代/小西明子別番/井田昌彦右筆)

15[風]葡萄座(小池純代師範)

 

<指導ロールとして>

35[守・破]十装ダリア教室師範代(竹川智子師範)

12[離]火元組半東

41[守]夜叉丸クライン教室師範代(景山和浩師範)

41[破]夜叉丸クライン教室師範代(浅羽登志也師範)

33[花]〜35[花]錬成師範

46[守]〜47[守]師範          

 

 

Q1.密かにこだわっているフェチな雑品は?
SINGERのミシン。モジュールが剥き出しの武骨な形。足で踏むタイプで自動縫いの機能もない。縫い音は固く響くが、糸は静かに流れる。手元は散らかっていても工具の配置は最適化され、いつも何か未完が仕掛かっている。

Q2.家から最寄り駅の間でなぜかどうしても気になっちゃうことは?
構内に上がる時のエスカレータ前の渋滞。手前の信号で不規則に流がロット化され流出口が少ないので構造上滞留が起こる。非線形に入り込んだ感覚で、生まれたばかりの待ち行列よおはようとも思う。解析してあげたい。

Q3.『情報の歴史21』で自分の生誕年以降の歴象で一番注目しているものは?
2000年。新たな地質時代「新世」の提唱。-地球系の関係の拗れはコロナ禍が露呈させた。相互編集に向かうにはエントロピーを手元に非線形、自己組織化、ネットロボットAIの検討が必要。花はそこも見据えている。

Q4.編集学校でこれまでに誰かに言われて印象に残った一言は?
「アナロジーとはね」と小坂真菜美さんから受けた数理の密談。アナロジーが見えずにいたが、ブビンガの隅、13インチのiPadで図示しながら、代数学の環論体論で組み立ててくれた。あの贅沢な編集の味はきっと忘れない。

Q5.編集学校で新しい講座やプロジェクトを立ち上げるなら?
ひとまずはiGenで全講座をハック。今期47[守]にも中村慧太師範代(どんでんコマンド教室)、桑田惇平師範代(極性アンバンドル教室)、圓尾友理師範代(妖精アスリート教室)とほんとのiGen世代が育ってきている。正直全然違う感覚を受ける。彼らのモデルにもっと学びつつ、一緒に盛り上げていきたいですね。

 


 

■iGen麻人をもっと知るなら

もしも師範が野球チームをつくったら/景山和浩

花伝所出ると優しくなれる? 写真でわかる「イシス式指南術入門」開催 【36[花]受付開始】/梅澤奈央

いいねを打ち破る最終兵器「エヴァ」とは【35[花]得番録、刷新】/梅澤奈央

 

 

■シリーズiGen〜イシスをDAN ZENにする7名〜 

 

001:穂積晴明 外郎売りからDJまで 多芸多才のデザイナー

002:中村麻人 数理モデルを脇差に 解析フェチの編集侍 

003:梅澤光由 全身義体を夢見る エディトリアルジャズピアニスト

004:網口渓太 関西弁のミク太郎 憧れ力で起動する編集少年

005:梅澤奈央 獲物はイジって逃さない 言葉フェチの人気記者

006:加藤めぐみ AI疑惑の超絶アーチスト 謎めく21世紀の女

007:上杉公志 ピアノ奏でる エディストの貴公子

 

iGenロゴデザイン:穂積晴明

 

  • エディスト編集部

    編集的先達:松岡正剛
    「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。