何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

三度の飯よりカレー好き。師範・佐藤健太郎のことだ。カレーで編集思考素を語るかと思えば、食べ歩き道をエディストする。そんな佐藤に52[守]ボードのキックオフ記事を注文した。やはりカレーだった。じんじんと舌のしびれるようなカレー味のメンバー紹介をご賞味ください。(守エディスト編集部)
スリランカカレーはぐちゃぐちゃに混ぜて食べるのが旨い。とはいえ、色とりどりの副菜が眩しいワンプレートを渾然一体にするのを躊躇う気持ちも否めない。
2023年9月12日。52[守]師範陣がZoomに集まった。画面の向こう側に横溢する逸脱は多様性なんてやわな言葉では片付かない。
学匠の鈴木康代が校長の松岡正剛のディレクションを紹介、「フラットではなく突出を」と切り出す。炒めたスパイスが香り立ち始め、継続登板の師範が51[守]をふりかえる。52[守]のキックオフだ。下拵えした食材が続々と鍋に放り込まれ、脱線と混線が相次ぐ対話はカオスに向かう。多様性というきれいごとではおさまらない。差異をトコトンまで広げ、重ねるからこそ未知の味が発見できる。
新たに加わった師範にも注目だ。50[破]師範代から[守]に帰還した小野泰秀と遠藤健史は煮詰める鍋から飛び散るマグマにも動じない。堂々たる新師範ぶりだ。39[花]からは小椋加奈子が登板。師範代になるレシピを磨きあげるロールで育んだ旨味で[守]に深みを加える。
新たに番匠ロールを担う阿曽祐子が瑞々しく先手を取り、鍋中をかき混ぜる。今期も阿曽に加え、景山和浩、渡辺恒久による三番匠体制だ。続投師範は更なる逸脱に向かってスパイスの調合に余念がない。さらに番匠を経験した若林牧子、石井梨香が加える達意の隠し味にも注目だ。
稽古期間が15週間となって2期目の52[守]、さらなる加速に向け、編集ブーツストラッピングは万全、あとはじっくり煮込むだけだ。
◎52守ボードメンバー────
学匠
どんなイシツも取り込む包容力 ルウカレー 鈴木康代
番匠
とろり濃厚、甘み辛みの一種合成 バターチキン 景山和浩
気血整う言葉のスパイス 薬膳カレー 渡辺恒久
近江から漂う香りとコク マッサマンカレー 阿曽祐子
師範
玉ねぎの甘さに潜むピリリ 欧風カレー 相部礼子
対話とカメラの向こうの尽くし スパイスカレー 阿久津健
バナナの葉に包んだ有事 ナシカンダール 石黒好美
素揚げした野菜と笑い声 スープカレー 稲垣景子
一緒に作るプロセスも調味料 キャンプのカレー 遠藤健史
まろやかな滋味が花を添える プーパッポンカレー 小椋加奈子
ほぐれるまでとことん煮込む ラムニハリ 小野泰秀
実はあまずっぱいコワモテ ポークビンダルー 角山祥道
カロリーもダンドリも自転車操業 カツカレー 佐藤健太郎
彩り野菜でおもてなし サンバル 若林牧子
カツオ出汁が醸す懐かしさ そば屋のカレー 石井梨香
◆イシス編集学校 第51期[破]応用コース募集中!◆
日程:2023年10月16日(月)~2024年2月11日(日)
詳細・申込:https://es.isis.ne.jp/course/ha
◆イシス編集学校 第52期[守]基本コース募集中!◆
日程:2023年10月30日(月)~2024年2月11日(日)
詳細・申込:https://es.isis.ne.jp/course/syu
佐藤健太郎
編集的先達:エリック・ホッファー。キャリアコンサルタントかつ観光系専門学校の講師。文系だがザンビアで理科を教えた経歴の持ち主で、毎日カレーを食べたいという偏食家。堀田幸義師範とは名コンビと言われ、趣味のマラソンをテーマに編集ワークを開催した。通称は「サトケン」。
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
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(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
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2025-09-24
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