何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

第73回感門之盟にて、[遊]物語講座十二綴の賞選結果が発表された。
総合ポイントトップとなる冠綴賞を受賞したのはニルス吉里吉里文叢の田中良英さん。作品賞をとらずに冠綴賞を勝ち取ったのは二綴以来の快挙だ。
赤羽卓美綴師は「世の中の物語には多様な読者がいるということが際立った十二綴でした。田中さんの作品にはどれも物語編集力が満ちていた。これからもさらに上を目指して紡ぎ続けてほしい」と祝福した。
マイクを渡された田中さんは「受講中は書くことの辛さや難しさを感じていました。頭の中で考えたことが本当に伝わるんだろうかと悩みながら書き進めていましたが、読みやすいと評価された、つまり伝わる物語になっていたということがわかり、今、とてもうれしく思います。受講前は五つも物語が書けるなんて想像していませんでした」と受賞の心境を語った。
松岡正剛校長は書斎から中継で、「『書く』は読むと違って新しいイマジネーションが問われる行為です。物語というのは変化なんだね。変革、変貌の『変』。どういうふうに変わっていくかということ。物語講座は、師範、師範代と叢衆の関わり方がおもしろい。指導陣が読む側として回答に交渉していく。これは守破ではちょっと味わえないね」と笑みをうかべながらコメントした。
田中さんにはさらなる研鑽を期待し『物語創世――聖書から〈ハリー・ポッタ―〉まで、文学の偉大なる力』(マーティン・プフナー)が贈呈された。
その他の賞は以下の通り。
◇トリガー賞 『飛天』吉本明子さん(白鯨大地文叢)
◇編伝賞 『レフレッシオーネ ――ルイージ・ルッソロ』高橋陽一さん(百日紅ギャツビー文叢)
◇窯変落語賞 『すじちがい』三津田恵子さん(百日紅ギャツビー文叢)
◇窯変ミステリー賞 『何ゾ非常ニ』大音美弥子さん(百日紅ギャツビー文叢)
◇窯変幼な心賞 『少年の夏』森重実さん(ニルス吉里吉里文叢)
松井 路代
編集的先達:中島敦。2007年生の長男と独自のホームエデュケーション。オペラ好きの夫、小学生の娘と奈良在住の主婦。離では典離、物語講座では冠綴賞というイシスの二冠王。野望は子ども編集学校と小説家デビュー。
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コメント
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2025-10-02
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2025-09-24
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