ISIS now 遊撃するブックウェア●壱のドク:寺平賢司さん【89感門】

2025/09/25(木)13:00
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壱のドク:『百書繚乱』と千夜千冊絶筆篇

 

 

初っ端に放たれたのは、松岡校長の一周忌に合わせて刊行された『百書繚乱』(アルテスパブリッシング)、担当編集を務めた松岡正剛事務所の寺平賢司さんがまき散らしたのはサイキョウのドクだ。それもそのはず、今回の感門テーマの「ブックウェア」は、本書の元となったタブロイド新聞「SANKEI EXPRESS」に校長が連載した「BOOKWARE」に肖っているのだ。

 

禁書が焼かれる世界を描写したレイ・ブラッドベリ『華氏451度』の紹介ページ(pp.352-353)では燃え上がる書籍の写真(撮影:小森康仁[編集工学研究所])が使われ、本を変幻自在のオブジェとしてとらえていた校長の見立てが披露された。『百書繚乱』の副題となっている「松岡正剛のヴィジュアルブックガイド」、かくあらん。

 

 

そして、「千夜千冊絶筆篇」。校長逝去に伴い更新が止まっていたが、フロッピーディスクの中に千夜千冊の書きかけのテキストがあり公開再開したとのこと。モウドクに備えよ。

 

▼以下順次公開
壱のドク:『百書繚乱』と千夜千冊絶筆篇【本稿】
弐のドク:『世界のほうがおもしろすぎた──ゴースト・イン・ザ・ブックス』『Birds』
参のドク:多読アレゴリア
肆のドク:ほんのれんラジオ/多読アレゴリア「ほんのれんクラブ」
伍のドク:九天玄氣組プロジェクト Qten Genki Book『九』刊行など

  • 白川雅敏

    編集的先達:柴田元幸。イシス砂漠を~はぁるばぁると白川らくだがゆきました~ 家族から「あなたはらくだよ」と言われ、自身を「らくだ」に戯画化し、渾名が定着。編集ロードをキャメル、ダンドリ番長。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。