何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

週刊キンダイ、先週で終わったと思った方、多いのではないでしょうか。
門をすぎれば、次の門が開きます。
忙しき人に効きたる進破かな
55[守]卒門者を対象とした破ガイダンスが8月27日に実施された。近大生は4人が参加。ガイダンスのあと「稽古にどのくらい時間がかかるか」という質問があった。001番は時間制限5分だったが、破への準備お題である用法4、最後の2番は時間制限がない。破は一体どうなっているのだ?と、思うのは当然のこと。 原田学匠が「時間はいくらでもかけられます。文章を書くということに終わりはありません。どこで終わるかを自分で決めるのです。」と、破講座に潜む面白さをほのめかす。
「時間制限がない」ということは無限に書くということではなく、どこで止めるかを自分で決めていいということなのだ。渦中に入ってみると、いつの間にか忙しい方が書けるようになっていく。これはぜひ、体験してみてほしい。
型を破りて術に入る
文体編集術、クロニクル編集術、物語編集術、プランニング編集術、4つの編集術は、松岡校長のTHE仕事術。守で学んだことの実践編だ。“術”とは「何回も行って自分のものとなった能力。手仕事の能力。学問。わざ。」のこと。破講座では、守で身につけた型を、最初はぎこちなく使い、だんだん滑らかに体が覚えていって、自然に術となっていく。
たとえば、プランニング編集術。就活を終え、働く人へのロールチェンジをしつつある近大生にとって、これから向かう仕事の方法だと想定する人も多いだろう。しかし、それだけではない。プランニングとは企画すること。企画は、もっと日常にごろごろと転がっている。
サークル、ゼミ、会社のプロジェクトといったものだけでなく、恋人にラブレターを書くことも、昼ご飯を何にするか考えることも、目標に向かって戦略を立てることも、企画です。
(近大番 南田桂吾)
破講座を始めると、書くことが知文の、お昼ご飯がプランニングの、生きることが物語の、それぞれ稽古になっていくのだ。
4位一体の編集術
旅する年表
破ガイダンスでは白川番匠が「物語編集術をやりたいと進破する人は多いが、クロニクル編集術をやりたいと最初から言う人は少ないです。しかし、突破した後に何が楽しかったかを聞いてみると圧倒的にクロニクル編集術と答える人が多い」と話すと、破講座の経験者はみな頷いた。クロニクル編集術の材料は年表。歴史上の事件を年代に従って書き並べた表は、動かすことはできないと思っている人が多い。世界のことも、日本のことも、そして、自分においてもだ。
すこしお堅い印象の年表だが、クロニクル編集術にかかれば、足が生えて自由に旅することができるようになる。
年表、それは歴史の沈黙に対して自分で声をかけられる生きたアニメーショ ンなのである。
マグロワンダフル教室の9人をはじめ、55[守]は12人の近大生が卒門した。うち5人が進破を決めている。[破]でも新たな伝説を。まだ枠は残っている。
アイキャッチ/稲森久純(55[守]師範代)
文/一倉広美(55[守]師範)
週刊キンダイ 連載中!
週刊キンダイvol.001 ~あの大学がついに「編集工学科」設立?~
週刊キンダイvol.002 ~4日間のリアル~
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
花伝所の指導陣が教えてくれた。「自信をもって守へ送り出せる師範代です」と。鍛え抜かれた11名の花伝生と7名の再登板、合計18教室が誕生。自由編集状態へ焦がれる師範代たちと171名の学衆の想いが相互に混じり合い、お題・ […]
これまで松岡正剛校長から服装については何も言われたことがない、と少し照れた顔の着物姿の林頭は、イシス編集学校のために日も夜もついでラウンジを駆け回る3人を本棚劇場に招いた。林頭の手には手書きの色紙が掲げられている。 &n […]
週刊キンダイvol.018 〜編集という大海に、糸を垂らして~
海に舟を出すこと。それは「週刊キンダイ」を始めたときの心持ちと重なる。釣れるかどうかはわからない。だが、竿を握り、ただ糸を落とす。その一投がすべてを変える。 全ては、この一言から始まった。 […]
55[守]で初めて師範を務めた内村放と青井隼人。2人の編集道に[守]学匠の鈴木康代と番匠・阿曽祐子が迫る連載「師範 The談」の最終回はイシスの今後へと話題は広がった。[離]への挑戦や学びを止めない姿勢。さらに話題は松 […]
目が印象的だった。半年前の第86回感門之盟、[破]の出世魚教室名発表で司会を務めたときのことだ。司会にコールされた師範代は緊張の面持ちで、目も合わせぬまま壇上にあがる。真ん中に立ち、すっと顔を上げて、画面を見つめる。ま […]
コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。