【2025秋募集:OUTLYING CLUB】通過儀礼を経て、記憶の旅へ

2025/08/28(木)12:00
img JUSTedit
秋のOUTLYING CLUBはリアルな交わし合いで幕を開ける。少人数のメンバーで武邑光裕慧匠を囲む贅沢な時間は、異端者にスイッチするためのイニシエーション。型破りな思考のシャワーを浴びて、メンバーはOUTLYINGアプローチに向かうのだ。
 
6月の交わし合いでは、OUTLYINGアプローチと大瀧詠一という組み合わせに目を見張った。明治以来の日本のポップス史を読み解く大瀧の「分母分子論」は、面影を継承する擬きに通じ、洋楽を分母として、歌謡曲やニューミュージックなど様々な分子が自在に相互作用しながら誕生する軌跡を説明する。2025夏は、このフィルターを通して90年代と現在をつなぐリンクに目を向けた。
 

分母分子論の歴史の見方は、OUTLYINGアプローチに重要な視点を与える

 
OUTLYINGアプローチを端的にいえば、普段の自分の見方、考え方をずらすこと。気づかなかった自分を引き出し、自らと世界を関わらせていくことだ。これまでも、価値観の画一化につながるテクノコードの危険性、高級ブランドとストリートの接近に見られる上流文化による下流文化の包摂など、OUTLYINGのヒントを授かり、意図的に世の中の見方を変えてきた。今秋はどのように世界を見ることになるのか!?
 
それでは秋の夜長を楽しむ<世あそび>を紹介しよう。
 

■OUTLYINGムネモシュネパネルの制作

ムネモシュネ・アトラスは、古代の身ぶりやイメージが、何度も蘇り、変形され現在に影響を与え続けていることをアビ・ヴァールブルクが図像の配置という思考方法で考え続けた成果。これまで発足時に掲げた手帳制作というターゲットに向かう中で、クラブでは「記録」と「記憶」に目を向けてきた。今期はヴァールブルクの方法にならい、ヴィジュアルを使った思考方法に挑戦し、継承される記憶のパネルを制作する。
 

With his cryptic clusters of images, Aby Warburg remapped the art of the past

中央がアビ・ヴァールブルク。右にはムネモシュネ・アトラスのパネルが見える

 

■OUTLYING読書会 1courで名著

「マクルーハンの本を読みたいけど一人じゃ読めない」というメンバーの一声から誕生したオンラインの読書会だ。参加条件は、指定された箇所まで本を読んでくること。いつか読みたいと思っていた本を仲間と共読するチャンス。歯ごたえのある本を1クールで読了しよう。今期の課題本はM・マクルーハン「メディア論」(予定)
 
OUTLYINGイニシエーションの開催日時は 
 
  9月7日(日) 14:00~17:00
 
僻遠への旅立ちはもう間もなく。
 

 

★来たれ、はみだしっ子!!

-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

  多読アレゴリア2025秋 OUTLYING CLUB
 【定員】30名
 【申込】https://es.isis.ne.jp/allegoria
 【開講期間】2025年9月1(月)~12月21日(日)
 【受講資格】どなたでも受講できます
 【受講費】月額11,000円(税込)
  ※ クレジット払いのみ
  以後毎月26日に翌月受講料を自動課金
 【お問合せ】allegoria@eel.co.jp

-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

 

  • OUTLYING CLUB

    メディア美学者・武邑光弘氏の監修するクラブが誕生。アンドリュー・マーシャルのOUTLYINGアプローチを手すりに、常識、主流派の見方を疑い、異端者の思考を追求する。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。