何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

生成とは、たんに一つの存在が別の存在を因果論的に生み出すことではまったくない。それは操作的な情報になることを拒否するような、不定形の共鳴体・共振体のことである。
今福龍太船長の『霧のコミューン』を共読したとき、群島ククムイのメンバーの多くが取りあげた一節だ。船長の言葉に背中を押されるように、台湾旅が形を帯びていった。
~『群島認識地図』モドキ・小島伸吾さん~
船長の方法を借りて旅の感謝と発見とをあらわしたのが小島さんだ。
今福船長&明子さんへの感謝の気持ちをこめて、『群島 世界論』の冒頭にある「群島認識地図」を擬いてつくってみました。いま振り返ってみると夢のような時間でした。
~タブたびの記録・山本昭子さん~
植物への造詣が深い山本さんは、旅の最中も、植物を通して台湾を見続けた。旅に先んじて取り組んだ船長からの「タブ」のお題が水先案内人となってくれた。
タブ本が台湾へと誘ってくれました。タブのお題に感謝です。
=タブ本=
『タブノキ ものと人間の文化史』山形健介/法政大学出版局
タブノキを追うと見えてくる、黒潮でつながる台湾と日本。
さらに南のフィリピンやインドネシアの島々にも続くはず…
タブ文化とモンスーン文化は重なっているのかも。
『サピエンス日本上陸 3万年前の大航海』海部陽介/講談社行ってみようか、行ける、行くぞ!
3万年前台湾から与那国へ渡ったのは、やらなくてもいいこと
を懸命にやる、普通の男女だった…台湾と人々を近しく感じます。
~たびの栞・木藤良沢さん~
旅の間中、大きなカメラを携えて、静かに撮影をし続けたのが木藤さんだ。
このたびは、ありがとうございました。たびを繰り返すように『霧のコミューン』を読んで、栞をつくりました。栞でまたたびにでます。
~ラジオ番組「台湾の病院、突撃レポート!」・山口イズミさん~
医療関係のお仕事に従事する山口さんは、今福船長が尊敬の念をもって紹介したカナダ人宣教師で医師のマッケイ博士に由来する病院への取材を決行。病院の音ごとをラジオ番組に再構成した。
最終日、ホテルの向かいにあった馬偕記念病院を見学に行きました。
その生音を交えラジオ番組を作りましたので、共有させていただきます。
仕事で関わっている番組で、ククムイ旅そのものには触れていませんが、船長やみなさんと過ごした時間がなければ、この話はできなかったと思っています。
ぜひ、お聞きいただければ幸いです。
台湾の病院、突撃レポート!
~台北で、イズミンが感じたこと~
https://voicy.jp/channel/3632/6728806
「群島ククムイのみごとな連帯!」。それぞれの多様なメディエーションに、船長からの声が届いた。
どこに至るのか? 何が出てくるのか? 先が見通せずとも、目を凝らし、耳を澄ませ、足を踏みだす。霧の中の連帯と生成が続く。
(文・編集:阿曽祐子)
★多読アレゴリア【群島ククムイ】、今福龍太さんについて、こちらも参照ください。
・【群島ククムイ】霧の中の台湾ーーー今福龍太船長との台湾旅(1)
・世界とわたしのあいだ、半影の海へ。【群島ククムイ:25秋の募集】
ただいま、一緒に旅をしてくださる仲間を募集中です。
・【多読アレゴリア:群島ククムイ】今福龍太と夏の島旅へヨーソロー
・生きることは霧とともにあること――今福龍太『霧のコミューン』発刊記念ISIS FESTA SP報告
・霧中からひらく新たな「わたし」――今福龍太さん・第3回青貓堂セミナー報告
群島ククムイ
ククムイは奄美・沖縄のことばでぷっくり膨らんだ小さな
蕾のこと。船長の今福龍太さんから届くことばに導かれ想
像力の花を育む群島コミューン。その島影で航海模様を綴
るのが、遊びごころいっぱいの多彩なククムイストです。
【群島ククムイ】霧の中のフォルモーザーーー今福龍太船長との台湾旅(1)
島は島は言葉を求め、言葉は島を呼び寄せます 2024年秋、今福龍太船長のひと言で、多読アレゴリア・群島ククムイの航海がはじまった。 フォルモーザ、フォルモーサ、エルモーサ、美麗島…、今は「台湾」と呼ば […]
世界とわたしのあいだ、半影の海へ。【群島ククムイ:25秋の募集】
群島ククムイは、ISIS co-missionの今福龍太さんとコラボレーションしているクラブです。クラブの創設以来、今福さんは船長として、新しい土地への旅はもちろんのこと、常に新しい言葉や書物への旅…、さまざまな旅へと […]
【多読アレゴリア:群島ククムイ】今福龍太と夏の島旅へヨーソロー
夏の旅は、イシスコミッションの今福龍太さんとゆるやかな島めぐりの航海へ漕ぎ出しましょう。 小さな小さな島、短い短い言葉に注意をはらって! 2024年冬の初航海は、大西洋のうるわしい群島、カーボ […]
コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。