週刊キンダイvol.009 ~この夏一番アツいもの~

2025/07/09(水)12:00
img ZESTedit
キンダイ

 夏。大学生は忙しい。

 

 遊んで恋してバイトに励む―そんな古めかしいステレオタイプはもう捨てよう。令和のいま、学生の夏はもっとハードだ。まず、サマーインターン。1週間ほど企業に出向いて、実際に「働く」ことを体験する。就職を見据えた大切なステップだ。日々の授業ではレポート課題が出される。そして7月下旬から8月上旬にかけては、定期試験が待ち構えている。その準備もまた欠かせない。

 

 そんな忙しい夏の日に、第3回「稽古Day」が開催された。ACT-116教室とオンラインのハイブリッドで、前回に続く昼夜の2部構成だ。15時開始の部には4人の学生が、18時半の部では教室に5人が、オンラインで2人が参加した。

 

 挨拶もほどほどにさっそくお題に取り掛かる。学林局から駆け付けた衣笠純子が言う。「最低2題は回答してみよう」。

 

 オンラインで黙々とお題を進める学生がいれば、チャット欄に次々アイデアを書き込む者も。教室では、手書きでじっくり思考を深める学生の横で、アドバイスを受けてどんどん回答を更新する学生もいる。まさに稽古百景。EditCafeに回答が次々アップされる。極めつけは、終了時間の20時を過ぎても居残って、21時過ぎまで粘りの稽古を続けた2人の学生だ。

 

 翌3日は、もはや恒例となったリアルサポートを実施。授業の合間に顔を見せ質問する学生、近大番と一緒にお題に取り組む学生、さらにはゼミのエントリー用作文を見てもらう学生まで登場。編集稽古に境界なし。なんでも来いだ。

 

リアルサポートで稽古する近大生と南田番

 

 そのリアルサポートに参加できなかった学生から、翌日メールが届いた。

 

来月の稽古Dayは絶対参加します!

 

 それを見た、編集工学研究所の橋本英人が返信する。

 

明日も稽古します! のタイプミスかな

 

 学生はすかさず、こう返した。

 

当たり前すぎて書いてませんでした笑
もちろん今日も個人で稽古します
そして来月の稽古dayも参加します
宜しくお願いします!

 

 稽古熱、じわじわ上昇中。この夏、いちばんアツいのは、もしかしたら55[守]の近大生かもしれない。最後の稽古Dayは8月19日に行われる。

 

アイキャッチ/稲森久純(55[守]師範代)
文/景山和浩(55[守]師範)


週刊キンダイ 連載中!

週刊キンダイvol.001 ~あの大学がついに「編集工学科」設立?~
週刊キンダイvol.002 ~4日間のリアル~

週刊キンダイvol.003 ~マグロワンダフルって何?~

週刊キンダイvol.004 ~近大はマグロだけじゃない!~

週刊キンダイvol.005 ~ハンシがゆく~

週刊キンダイvol.006 ~編集ケイコが行く!~

週刊キンダイvol.007 ~二段重ねのおいしい1日~

週刊キンダイvol.008 ~~目指すのは南だ!~

  • イシス編集学校 [守]チーム

    編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。

  • エディット・アスリートの祭典ー55[守]クロニクルー

    花伝所の指導陣が教えてくれた。「自信をもって守へ送り出せる師範代です」と。鍛え抜かれた11名の花伝生と7名の再登板、合計18教室が誕生。自由編集状態へ焦がれる師範代たちと171名の学衆の想いが相互に混じり合い、お題・ […]

  • 【88感門】結司・響事・籟記が生まれた日

    これまで松岡正剛校長から服装については何も言われたことがない、と少し照れた顔の着物姿の林頭は、イシス編集学校のために日も夜もついでラウンジを駆け回る3人を本棚劇場に招いた。林頭の手には手書きの色紙が掲げられている。 &n […]

  • キンダイ

    週刊キンダイvol.018 〜編集という大海に、糸を垂らして~

    海に舟を出すこと。それは「週刊キンダイ」を始めたときの心持ちと重なる。釣れるかどうかはわからない。だが、竿を握り、ただ糸を落とす。その一投がすべてを変える。    全ては、この一言から始まった。   […]

  • 未来へつなぐ編集と松岡校長のOS ―師範 The談(下)

    55[守]で初めて師範を務めた内村放と青井隼人。2人の編集道に[守]学匠の鈴木康代と番匠・阿曽祐子が迫る連載「師範 The談」の最終回はイシスの今後へと話題は広がった。[離]への挑戦や学びを止めない姿勢。さらに話題は松 […]

  • 出世魚の眼差し――55[破]教室名発表【89感門】

    目が印象的だった。半年前の第86回感門之盟、[破]の出世魚教室名発表で司会を務めたときのことだ。司会にコールされた師範代は緊張の面持ちで、目も合わせぬまま壇上にあがる。真ん中に立ち、すっと顔を上げて、画面を見つめる。ま […]

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。