何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

「この部屋、昼はこんなにまぶしかったんですね」
東京から駆け付けた学林局の衣笠純子が、教室を見てつぶやいた。6月17日、大阪は快晴。近畿大学・アカデミックシアターのACT-116はガラス張りで、午後の光が満ちていた。55[守]が開講した5月12日と同じ教室なのに、明るく開放的な空間に見えるのは日の光のせいだけではなかった。
今回の稽古Dayは昼夜二部構成。しかもリアルとオンラインのハイブリッド。初めての試みだ。アイドルのコンサート、演劇のマチネとソワレ、プロ野球のダブルヘッダー、さらには二段重ねのお重のように、同じ舞台で違う熱を味わう楽しみがある。どちらか一方に参加してもいいし、両方も可能。何度でも足を運びたくなるお得感。それが近大番の狙いでもある。
午後3時に始まった昼の部には5人の学生が参加した。稽古Dayといってもお題に向かうばかりではない。編集稽古の手応えや悩み相談など、まず雑談からスタート。そのまま終わったばかりの番選ボードレール「一種合成」の感想が行き交った。最後にはお題に取り組む時間もたっぷりだ。
この日は衣笠に加え、編集工学研究所の橋本英人も顔を出した。「どうやって発想を広げたらいいのか」という学生の声に「言い換えが編集の基本だよ」と即座に返事。言い換えしながら連想を広げる方法を伝える。近大番の南田桂吾も「稽古で詰まったら、用法1の方法を思い出して」とアドバイス。会話と学びが交わるライブ感。これがリアルの場ならではの贅沢さだ。
橋本はマンツーマンで稽古
8人が参加した夜の部には、マグロワンダフル教室の師範代・稲森久純がやってきた。学生と笑顔で語る姿は、まさにアニキだ。お題をためてしまった学生には橋本がマンツーマンでコーチする。Zoom越しにマグロワンダフル教室の師範・一倉広美、南田、景山がコメントする。この厚みと熱さ。だから参加する価値がある。
「稽古Dayに来ると、編集稽古したくなる」。すっかり日が落ちたACT-116。近大生の表情は昼の光とは違うまぶしさを放っていた。
アイキャッチ/稲森久純(55[守]師範代)
文/景山和浩(55[守]師範)
週刊キンダイ 連載中!
週刊キンダイvol.001 ~あの大学がついに「編集工学科」設立?~
週刊キンダイvol.002 ~4日間のリアル~
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
花伝所の指導陣が教えてくれた。「自信をもって守へ送り出せる師範代です」と。鍛え抜かれた11名の花伝生と7名の再登板、合計18教室が誕生。自由編集状態へ焦がれる師範代たちと171名の学衆の想いが相互に混じり合い、お題・ […]
これまで松岡正剛校長から服装については何も言われたことがない、と少し照れた顔の着物姿の林頭は、イシス編集学校のために日も夜もついでラウンジを駆け回る3人を本棚劇場に招いた。林頭の手には手書きの色紙が掲げられている。 &n […]
週刊キンダイvol.018 〜編集という大海に、糸を垂らして~
海に舟を出すこと。それは「週刊キンダイ」を始めたときの心持ちと重なる。釣れるかどうかはわからない。だが、竿を握り、ただ糸を落とす。その一投がすべてを変える。 全ては、この一言から始まった。 […]
55[守]で初めて師範を務めた内村放と青井隼人。2人の編集道に[守]学匠の鈴木康代と番匠・阿曽祐子が迫る連載「師範 The談」の最終回はイシスの今後へと話題は広がった。[離]への挑戦や学びを止めない姿勢。さらに話題は松 […]
目が印象的だった。半年前の第86回感門之盟、[破]の出世魚教室名発表で司会を務めたときのことだ。司会にコールされた師範代は緊張の面持ちで、目も合わせぬまま壇上にあがる。真ん中に立ち、すっと顔を上げて、画面を見つめる。ま […]
コメント
1~3件/3件
2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。