何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

イシスの学びは渦をおこし浪のうねりとなって人を変える、仕事を変える、日常を変える――。
仲田恭平さんはある日、松岡正剛のYouTube動画を目にする。その偶然からイシス編集学校に入門した仲田さんは、稽古を楽しむにつれ、やがて「編集の拡張性」に気づき……。
学衆が綴るエッセイ「ISIS wave」。52回目は、仲田さんの壮大な野望を紹介します。
■■インフラと私を編集する
私たちの日常を支える、目に見えないけれど確かな存在があります。お風呂の湯気、コンロの炎、快適な室温を保つエアコン。病院での治療や工場の溶接作業まで。それはガスというインフラです。当たり前すぎて、意識しなければ気づきにくい存在ですが、私の勤める企業はまさにその「当たり前」を担い、地域に根ざした快適な暮らしを提案し、支え続けています。
私が編集工学を学ぶきっかけとなったのは、勤める企業の伝統の積み重ねと、このままではいけない、という危機感の間に生まれた問いからでした。そんな時に、偶然YouTubeで松岡正剛校長の動画に出会い、その言葉に直感的に何かを感じたのです。好奇心に駆られ、『千夜千冊』を読み漁り、イシス編集学校の内容を調べました。そこで私は気づきました。これは正解を求めるものではないのだと。気付きが私の背中を押し、イシス編集学校入門と基本コース[守]の受講を決めました。ネット上で行われる画面越しのお題を介した稽古は、対面を得意としない私には丁度良かった。気がつけば何度も回答を送り、繰り返し挑戦することさえ楽しみに変わり、15週間の[守]の学びに没頭していました。
卒門後、実務はどう変化したのか。その変化はいくつかの思考の転換として現れました。
一つ目は、事業と事業の間に、「他に何ができるか」という思考の仕組みを挟むようになりました。既存の中だけに囚われず、他の可能性を見つけるようにしています。
二つ目は《注意のカーソル》の置き方を変えたことです。自社の利益を中心にしている視線の向きを変え、顧客側からの視線を考えるのです。例えば工具一つ、給湯器一つを提案するにしても、「自社の利益」の《地》を「顧客の満足」に移せば選択肢は変わります。
三つ目は、事業の形を編集稽古《コップは何に使える?》と照らし合わせ、可能性を見出す。用途は限るのも良いのだから広げても良い。例えばガス容器スタンド。置き物で充分、と思いがちな所にいや待てよ、と足を止めて可能性を探ります。それは最早業務をこなすだけではなく、業務そのものを編集していたのです。
▲仲田さんの仕事道具。道具の選び方も「編集可能」だという。
今後は、編集の「型」を事業の一つであるリフォーム計画に組み込みたいと考えています。《ルール・ツール・ロール》を明確に定め、住む人の《地》に立った、円滑かつ美しい「空間の着替え」を実現させたいのです。さらには、企業の在り方も編集し、地域との繋がりをより強固に結びつけていきたい。
ところで、興味深い偶然として、私の勤める企業は『千夜千冊』第1112夜で取り上げられた田中清玄の創業によるものです。この縁にも何か意味があるのではないか、そう考えます。
エディストチーム渦edist-uzu
編集的先達:紀貫之。2023年初頭に立ち上がった少数精鋭のエディティングチーム。記事をとっかかりに渦中に身を投じ、イシスと社会とを繋げてウズウズにする。[チーム渦]の作業室の壁には「渦潮の底より光生れ来る」と掲げている。
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コメント
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2025-10-02
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2025-09-30
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2025-09-24
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