何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

実験的書店空間「松丸本舗」が、第84回感門之盟「25周年 番期同門祭」で再現された。2日間限定の復活だ。
求龍堂『千夜千冊』全集の各巻のタイトルを大見出しにして作られた「本殿」コーナーの再現。
2009年から2012年まで丸善丸の内本店に存在した松丸本舗は、それまでにない本屋だった。
ダントツに逸脱。圧倒的密度の空間。ブックショップエディターは生きた本屋を編集する。お客様と本の間にバーチャルな本棚を即興でつくりだす(森山智子)。
松岡正剛が大事にしたのは本を文脈のなかに置くこと。ブックショップエディターは、しかるべき人に渡せるよう、本と人と場の関係を編集する(大音美弥子)。
ブックショップエディター(BSE)とは、松丸本舗で大活躍した本のコンシェルジュ。左から丸善CHIホールディングス取締役の野村氏と、BSEの川田淳子、大野哲子、森山智子、大音美弥子、小川玲子。
松丸本舗の本棚にむかうことは宝探しのようなものだ。隣り合わせになった本と本の関係を問いたくなる。ブックショップエディターはこのごっこ遊びにとことん付き合う。訪れたお客は孤独に楽しむことはできない。
ブックショップエディターが用意した「てんまる三冊」も見逃せない。「本棚は三冊セットで見る」という松岡正剛に倣い、キーブックとなる1冊と、それに寄り添う2冊をセットにし、その三冊にタイトルをつけた福袋だ。
生きて動く本屋「松丸本舗」を再生させたブックショップエディターによる関係編集を体感してほしい。
【関連記事】
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https://edist-test.jpn.org/cast/bse03/
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https://edist-test.jpn.org/just/kanmon84_matsumaru_booth_report/
阿部幸織
編集的先達:細馬宏通。会社ではちゃんとしすぎと評される労働組合のリーダー。ネットワークを活かし組織のためのエディットツアー も師範として初開催。一方、小学校のころから漫画執筆に没頭し、今でもコマのカケアミを眺めたり、感門のメッセージでは鈴を鳴らしてみたり、不思議な一面もある。
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
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