米も54[守]も爆上がり中

2024/09/16(月)11:54
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右手で稲を刈り、左手で田起こしをする。イシス編集学校における二期作は、休閑期間を設けない。終わってから次に向かうのではなく同時進行だ。

 

54[守]指導陣の初顔合わせは、53[守]の教室が閉じられた2024年9月8日に行われた。「感門之盟がまだなので、終わったーという感じがなくもう次の話」「先ほど最後の指南を返したのを見届けた」「明日の53[守]の集まりと開始時間を間違えた」。そんな声がZoom越しに飛び交う。それもそのはず、53[守]のボードメンバーは、全員54[守]も継続するのだ。しかしそれは単純な継続ではなく、より面白くなるための継続だ。
阿曽祐子、景山和浩、渡辺恒久の三番匠に石黒好美が加わり、四番匠体制へ。若林牧子、相部礼子、石井梨香は同朋衆として、別様の評価方法を試みる。新しい空気に触れさせることも忘れてはならない。追肥されたのは4名。もみにもまれて16[離]を退院して戻ってきた佐藤健太郎。新米のジャイ子俳句新人賞と多彩な一倉広美と、41[花]で刀を振り回していた中村裕美。そして、あいだから世界をみていた奥本英宏が、38[守]以来17期ぶりに[守]の師範として帰ってきた。

 

変わらざるを得ない54[守]。継承すべきものと更新されるもの。ミーティングを終えたボードラウンジでは、交し合いが加速し、高騰中の米に負けないくらい、ボルテージが上がっている。引き続きの者と新たな者が鋤きこまれ、田植えの時を待つ。

▲高騰中の54[守]指導陣(提供:阿曽祐子)

 

◎粒不揃いな54守ボードメンバー◎

学匠   人たらしな「コシヒカリ」         鈴木康代

番匠   颯爽とかき回す「みずかがみ」       阿曽祐子
     どんと構えて受け止める「ゆめぴりか」   景山和浩
     新鮮さを忘れずふうわり包む「ヒノヒカリ」 渡辺恒久

     おちゃめに駆ける「ササニシキ」      石黒好美

師範   根っからのモノ言い「青天の霹靂」     角山祥道
     ここぞを射貫く「はえぬき」        阿久津健
     やわらかく物語る「ななつぼし」      福澤美穂子
     軽やかに踊る「きぬむすめ」        北條玲子
     元気にくいつく「ミルキークイーン」    紀平尚子
     風格たっぷり「まっしぐら」        山崎智章
     ひょうひょうと悪路を走る「雪若丸」    佐藤健太郎
     醸し出てしまう落ち着き「あきたこまち」  奥本英宏
     チャーミングに詠う「つや姫」       一倉広美
     のせられてのっかる「新之助」       中村裕美

同朋衆  さらっとおもてなす「いちほまれ」     若林牧子
     優雅時々ずばっと「キヌヒカリ」      相部礼子
     安心の多出没「ひとめぼれ」        石井梨香


文・アイキャッチ:54[守]師範 中村裕美

 


 

◆イシス編集学校 第54期[守]基本コース募集中!◆
稽古期間:2024年10月28日(月)~2025年2月9日(日)
詳細・申込:https://es.isis.ne.jp/course/syu


◆イシス編集学校 第53期[破]応用コース募集中!◆ 
稽古期間:2024年10月14日(月)~2025年2月9日(日)
詳細・申込:https://es.isis.ne.jp/course/ha

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コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。